多国籍電気通信事業者(通信キャリア)のボーダフォンは6月15日、スペインで同国初の5G商用モバイルネットワークを始動し、スペインはスイスと英国に続き同ネットワークを開通したもう一つの欧州の国になった。「北京商報」が伝えた。
注目されるのは、華為(ファーウェイ)が同ネットワークのコアサプライヤーであり、双方が10数年にわたり長期的協力関係を維持してきたことだ。さきに米国でファーウェイたたきが起きた時も、ボーダフォンはファーウェイを擁護し続けた。ボーダフォンのニック・リード最高経営責任者(CEO)はこれまでたびたび公の場でイベントに参加したりコメントを発表したりし、欧州の一部の国が「ファーウェイ禁止措置」を推進しようとしていることに反対し、「5G時代にファーウェイを排除すればコストはより高額になり、ネットワーク配置計画も減速するだろう」との見方を示した。
ボーダフォンの発表によると、スペインの5Gユーザーは毎秒1ギガバイトのダウンロード速度を体験でき、さらに年内に毎秒2ギガバイトに加速する見込みだ。5Gモバイルネットワークの端末設備とサービスはすでにスペインのボーダフォンのサイトで購入できる。まずマドリード、バルセロナ、バレンシアなど主要15都市で同ネットワークを開通し、5Gサービスは15都市の人口の約50%をカバーする。時間の経過にともなって、カバー範囲は拡大を続けるという。
ボーダフォンはファーウェイを支持する欧州で唯一の通信キャリアではない。5月末には、英国の主要キャリアのEE社が他社に先駆けて英国主要6都市で5Gサービスを開通し、同社は今後も引き続き5Gネットワークインフラの一部にファーウェイの設備を採用すると重ねて表明した。ボーダフォンによると、これから英国やドイツなどで5Gネットワークサービスを相次ぎ開通する予定で、今年の夏には英国、イタリア、ドイツで5Gの国際ローミングが実現するという。
スペイン紙「エル・ムンド」の以前の報道によれば、ボーダフォンがスペインで5Gネットワークを展開した際に、スウェーデンの電気通信設備メーカーのエリクソンは「わずかな寄与」をしたにとどまり、ファーウェイが設備の主要サプライヤーだったという。端末製品をみると、スペイン市場で一番最初に発売される5G携帯3機種は、韓国サムスンとLGの製品、そして中国の小米の製品だ。
報道は、「ボーダフォンは元々ファーウェイの5G端末『Mate X』を同時に発売する計画だったが、グーグルが最近、米国政府の禁止令を受けてファーウェイ製品にアンドロイドシステムの最新版を提供しなくなったことから、この折りたたみスマートフォンはキャリアの認証をまだ得ていない」と伝えた。
ファーウェイのスペイン法人の金咏CEOは先月29日、「米国政府がファーウェイ禁止令を出したが、ファーウェイのスペインにおける圧倒的多数の協力パートナーたちはこの困難な時期にファーウェイと『一緒に戦う道』を選び、ファーウェイのスペイン5Gネットワーク建設参加には少しの影響もない。このたび起きたすべてのことがファーウェイの5G分野での競争力と影響力を弱めることはあり得ない」と述べた。
現在、世界の5G事業受注状況をみると、ファーウェイ、中興通訊(ZTE)、エリクソン、ノキアが熾烈な戦いを繰り広げている。現在、ノキアの受注件数が42件、中興が40件、エリクソンが19件だ。一方で、ファーウェイは今月6日、これまでに世界30ヶ国との間で5G商用化契約46件を獲得し、5G基地局の出荷量は10万基を超えて世界一になったと発表した。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年6月17日