2018年都市部の非民間機関の産業別年平均給与。国家統計局より。 |
国家統計局は14日に2018年の平均給与データを発表した。それによると、都市部の非民間機関で働く人の年収ベースの平均給与は8万2461元(1元は約16.0円)、都市部の民間機関で働く人は4万9575元だった。産業別の最高は情報伝達・ソフトウェア・情報技術(IT)サービス産業だった。中国新聞網が伝えた。
データによると、都市部の非民間機関の中で、情報伝達・ソフトウェア・ITサービス産業の平均給与は14万7678元に達して初めて14万元を突破し、産業別の首位に立った。
中国労働学会の蘇海南副会長は、「一方で、IT産業はハイテク技術産業に属し、経済のモデル転換やバージョンアップの方向に合致しており、人材は相対的に供給不足であるため、給与の水準と増加率が急速に上昇した。また一方で、金融産業はここ2年ほど調整期にあり、業績が全体としてそれほど好調とはいえない」と説明した。
都市部非民間機関の中で年平均給与のトップ3の産業は、情報伝達・ソフトウェア、ITサービス産業(14万7678元)、金融産業(12万9837元)、科学研究・技術サービス産業(12万3343元)だった。
ここからわかるのは、この3産業は月平均給与がいずれも1万元の大台に達して、「月収1万元産業」の仲間入りを果たしたことだ。
このうち科学研究・技術サービス産業は初めて1万元を超えた。データによると、18年の都市部非民間機関の科学研究・技術サービス産業で働く人の平均年収は前年比14.4%増加し、増加率は前年を2.8ポイント上回り、全国平均も3.4ポイント上回った。
国家統計局人口・雇用統計司の孟燦文副司長の分析では、18年に全国の研究開発(R&D)費用は同11.6%増加し、科学技術分野における研究者に対する所得分配政策が徐々に効果を表し、研究者の積極性をかき立て、その結果として科学技術成果が豊富に生まれ、科学技術成果の転化率は高く、科学研究分野の平均給与が増加する条件が整ったという。
増加ペースをみると、都市部の非民間機関のうち、年平均給与の増加率が最も高い3産業は、採鉱業(17.2%)、科学研究・技術サービス業(14.4%)、卸売・小売産業(13.1%)だった。
採鉱業はなぜ給与増加率のトップになったのか。孟副司長の分析によると、供給側構造改革が踏み込んで推進されたこと、鉄鋼や石炭などの産業で過剰生産能力の削減が踏み込んで推進されたこと、エネルギー消費が多く汚染度の高い産業でモデル転換・バージョンアップが加速したこと、企業の収益が大幅に改善されたことなどが原因だという。
データをみると、18年に全国の一定規模以上の工業企業(年売上高2000万元以上の企業)の中では、石油・天然ガス開発産業の利益が前年の4.4倍に増え、平均給与も高い増加率を示した。また石炭採掘・洗選産業の平均給与は17年に同16.3%増加し、18年はさらに同15.8%増加の高度成長を達成した。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年5月15日