グローバル化シンクタンク(CCG)とオンライン求人サイト・智聯招聘(Zhaopin.com)が19日に発表した「2018年中国海外帰国組就職・起業調査報告(以下、報告)」によると、北京・上海・広州などの一線都市は、依然、海外帰国組の間で人気の高い勤務地となっており、彼らの95%は、「帰国後半年以内に仕事を見つけることができた」としている。だが、同時に、海外帰国組の就職ポストと留学中の専攻レベルが釣り合っていなかったり、収入レベルも予想より低いという問題も存在していることが明らかになった。中国新聞網が伝えた。
以下、「報告」の概要。
海外に留学する主な理由として、海外帰国組の76%は、「異国の文化や生活を体験し、自分の見聞を広めたかった」と答えたが、「将来、海外でのキャリア発展を計画していたため」と答えた人の割合は比較的低かった。このため、帰国後の選択として、「故郷でキャリア発展を希望し、生まれ育った土地ではないところに引っ越すつもりはなかった」とした海外帰国者は61%に上った。一方、故郷以外で就職した人のうち、北京で就職した人の割合は13%、上海は8%、広東は7%だった。
海外帰国組が勤務地を選ぶ際に大きな決め手となるのは、「経済発展スピード」であり、北京・上海・広州などの一線都市に人気が集中する一方で、東北地区や中西部地区は、人材流出という危機に直面している。
国内における就職活動の方法をみてみると、海外帰国者は、主に、「オンライン求人サイトや求人アプリなどを通じて履歴書を送る」という方法を使っていた。彼らのうち、「帰国後半年以内に仕事を見つけることができた」人は95%に上り、「外国語能力と異文化コミュニケーション力の強さ」が、彼らが国内でキャリア発展を進める上での最大の強みとなっている。
海外帰国組が帰国後携わる業界のトップは、金融業だった。彼らの就職先は、ほとんど、私営・民営企業に集中している。キャリア発展の面からみると、海外帰国組の7割以上が、「就職ポストと海外で学んだ専攻のレベルが釣り合っていない」と答え、半数以上が、「これまでに転職した経験がある」としている。転職の主な原因は、「企業の発展の見通しと報酬レベルの問題」だった。
海外帰国組のうち、「税引前の月収は6千元(約9万6千円)以上」と答えた人は約7割に達した。また、「収入レベルは予想より低かった」とした人は80%に達し、実際の収入と予想との間にギャップが存在している。留学生に帰国を促し、本国でのキャリア発展を促す中国政府の政策に対する海外帰国者の理解度はあまり高くなく、彼らが最も注目している政策は、「報酬と福利厚生待遇を引き上げること」と「海外帰国者の就職システムを完備すること」だった。
今回の報告は、アンケート有効回答2190組に対する分析・研究に基づき取りまとめられ、「90後(1990年代生まれ)」を中心とする新世代海外帰国組の留学前・留学後の発展・変化、帰国後のキャリア発展の現状、そして就職・起業で直面する問題などが主に反映されている。(編集KM)
「人民網日本語版」2018年8月21日
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