2人目出産が全面的に解禁された後、2人目を産むか産まないかは多くの夫婦が直面する重大な選択肢となった。このほか、2人目出産後に何日間の産休をとれるのか、2人目の産休をとったら、職場の性差別が深刻化するのではないかなどの話題がネットで議論を呼んでいる。中国新聞網が伝えた。
▽2人目出産は高齢出産に入らず
中国の現行の産休は主に、基本産休とインセンティブ産休の2つの部分からなる。基本産休は国務院が2012年に発表した「女性従業員労働保護特別規定」で、「女性従業員の産休は98日とする(難産の場合はさらに15日を追加)」と規定されている。
インセンティブ産休は、高齢出産者と一人っ子証の取得者に与えられる。各省・自治区・直轄市は、各地の計画出産条例に基づき高齢出産の産休について規定している。多くの地域は、24歳以上の既婚女性が「第一子」を出産する場合を高齢出産と定義しているため、2人目の出産は高齢出産に含まれず、インセンティブ産休はもらえない。産休は国務院が規定した98日間のみとなる。
▽専門家「産休制度の改善の鍵は、日数ではなく社会保障」
中国人民大学人口・発展研究センター副センター長、社会・人口学院人口学教育研究室室長の劉爽氏は、産休延長に関するネットユーザーの訴えについて「産休の延長は、個人レベルあるいは家族レベルの願いだ。個人的には、真剣に検討すべき合理的な願いだと思う。しかし、これを政策のレベルに押し上げるには、まだ時間がかかるだろう」と指摘する。
南京師範大学社会工作研究・発展センター長の呉亦明教授は「現行の98日間の産休は、女性の授乳と産後の体回復のニーズをほぼ満たすことが出来る。産休および夫の育児休業制度の改善の鍵は、日数ではなく社会保障にある。出産・育児は個人的な行為、一家庭の行為ではなく、社会的な行為であり、人口構造、人口の持続可能な発展、労働力の供給など多方面に関わる。出産が個人・企業にとってリスクとなるならば、その社会的責任は従業員と企業のみに負担させるべきではない」と語る。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年11月19日