〇コミュニティでの感染拡大
世界規模で見ると、MERコロナウイルスは、英国、ドイツ、フランス、イタリア、ギリシア、チュニジアとフィリピンの各国ですでに確認されている。世界保健機関(WHO)の報告によると、同ウイルスが2012年に初めて発見されてからこれまでに、計496人の感染者が確認されており、このうちサウジアラビアでは少なくとも126人が死亡した。患者はいずれも、アラビア半島の7カ国で見つかっている。同ウイルスが看病や同居など緊密な接触を通じて健康な人に感染することは分かっているが、コミュニティで持続的に感染が拡大した証拠は、いまのところ存在しない。
〇予防・治療対策
WHOおよび中国衛生・計画出産委員会は、MERS予防治療対策として、次の通り提案している。
1、中東地域を訪れる人は、それぞれが衛生・特に手の衛生に注意して、呼吸器感染症の症状を呈している人との緊密な接触や動物・動物の排泄物との接触を極力避ける。使い捨てティッシュを使い、手洗いをこまめに行い、現地の人との接触を減らし、咳をするときにはマナーを守り、咳やクシャミが出す際には鼻と口を覆うこと。
2、中東地域を訪れた後中国に帰国した人で、発熱、涙、咳、喉の傷みなどの症状が現れた場合は、自ら出入国検査係員にその旨を申し出て、検疫検査および医師の診察を受けなければならない。帰国後14日以内に、発熱や呼吸器系の異常が見られた場合は、マスク着用で速やかに医師の診察を受けること。その際、病院への移動は、公共交通機関を用いてはならない。時機を得た診断と治療を受けるため、最近の海外渡航歴や現地での詳細状況について、医療関係者に事細かく説明した方が良い。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年6月10日