約束した時間の5分前にインタビューの場所に行くと、きちんとした身なりの白髪の紳士が待っていて、とても丁寧なあいさつで迎えてくれた。この人こそ日立グループの小久保憲一中国総代表で、日本のドラマに出てくる「日本人企業家」のイメージそのままだ。「中国経済週刊」た伝えた。
▽中国は日立にとって最大の海外市場
小久保中国総代表は、「昨年6月、日立グループのトップは北京でグローバル戦略会議を開催した。全出席者が中国市場の日立における重要性を認識するという点で一致し、中国市場での計画を一層拡大する必要があることが確認され、特にビル、金融、健康、スマート物流が日立中国法人の重点推進分野であることが確認された」と述べた。
日立は中国に初めて進出した日本企業であり、1979年に北京市に事務所を設立した。ちょうどその年、大学を卒業したばかりの小久保中国総代表は日立に入社した。
2008年には金融危機および円高という2つの危機の下で、パナソニックやソニーなどの大手日本企業が軒並み損失を出し、日立も損失を被った。その後、日立は「方向転換」の戦いを続け、家電分野からの撤退を宣言し、情報技術(IT)とインフラ設備を中核とする分野へ早急に力を結集している。
こうした動きをみていると、日常生活の中では象のようなかつての大型家電企業の面影をしのぶことはできない。日立は密かに事業を細分化し、交通、ビル設備、建築機械、産業設備などの分野へと生産ラインを伸ばしている。
日本企業(中国)研究院の陳言院長は、「日立は最も早くモデル転換を進めた在中国日系企業であり、今では家電分野だけでなく、力強い発展を遂げる中国インフラ建設プロジェクトへも触手を伸ばしている。中国の家電消費市場が発展し、中国政府が国産化を方向性とした協力を提唱したのにともない、日立は中国の国内需要の一層の拡大というチャンスをつかんだ。エレベーター、建築機械、鉄道建設などの市場には潜在力が充ち満ちており、一連の措置を通じて巨額の赤字という苦境から抜けだすことができ、モデル転換に成功した」と話す。