2014年3月末現在、日立の中国にあるグループ企業は177社を数え、正社員は約4万6400人に上る。13年度(13年4月1日~14年3月31日)の中国市場での売上高は約671億元(1元は約19.4円)に上り、グループの世界全体の売上高の11%を占めた。日立にとって中国市場は今や最大の海外市場だ。
▽技術で健康管理・都市化分野に挑戦
日系企業が中国市場でのリーダーを選ぶ時には、「中国通」から選んで方針決定を任せることが多い。そういうわけで、在中国日系企業のリーダーには中国語が上手な人が多く、中国語学科出身の小久保中国総代表もその例に漏れない。
小久保中国総代表は過去30数年にわたり、中国の大都市をくまなく訪れ、中国市場や中国のニーズに対して彼ならではの深い理解を持っている。
小久保中国総代表は、「中国は他の国と事情が違うので、これまでのやり方を単純に模倣するわけにはいかない。中国独自の条件や使用時の特徴に基づいて開発を行わなければならない。そのためには中国の事情を理解する人が関係者に必要な知識や情報を伝える必要があり、これも私の仕事の一つだ」と述べた。
小久保中国総代表は中国の医療・ヘルスケア分野に期待を寄せる。日立はここ数年、医療機器分野に挑戦しており、ITと設備の融合の道を探り、(最高レベルの)三級甲等病院と協力し、「病院連合体制」という概念をうち出し、病院に設備を提供する。また日本で展開する電子カルテなどの事業を中国で普及させ、電子カルで情報の共有を実現させ、病院にソリューションを提供し、医療・ヘルスケア分野の全段階(予防、検査、治療、予後)を貫くワンパッケージサービスを提供する計画だという。
小久保中国総代表は中国経済に非常に大きな期待を寄せており、中国のスマートシティ建設とより広義の都市化プロセスに高い関心を示している。
小久保中国総代表は中国経済に対する見方について話が及ぶと、「中国経済は2けた成長の時期は過ぎ去り、数を増やすことから発展の質を追求する方向へと転換を始めている。内陸部の都市建設は、中国に新たな市場と新たな発展チャンスをもたらすとみられるが、中国社会とより多く接触し、中国市場のニーズを読みとらなくては、成功することはできない」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年5月13日