ある出版社が出版した、ノーベル賞作家・莫言(モー・イエン)の複数の小説が、2014年末に返品され、その量は総印刷部数の10%にも達したという驚きの事実が、上海でこのほど開催された第3回文芸評論双月座談会で明らかになった。中国青年報が報じた。
同ニュースに、「文学」が直面している危機に再び注目が集まった。文学界関係者は、書物の断片化、大衆化により、文学が非主流化しつつあると警笛をならしている。それを如実に物語っているのが、文学と映画・ドラマの関係に生じている大きな変化だ。「以前は、文学を原作とした映画・ドラマが多かったが、今では、小説に依存している映画・ドラマがほとんどなくなった。徐克(ツイ・ハーク)監督の『智取威虎山(The Taking of Tiger Mountain)』(14年)や、鄭暁龍監督のドラマ『紅高粱(紅いコーリャン)』(14年)は、いずれも小説を原作としているが、原作とはかけ離れている」。
文学が非主流化しつつあるのは明白な事実で、ノーベル賞を受賞した莫言も、文学市場の「救世主」とはなれなかったのだ。(編集KN)
「人民網日本語版」2015年1月16日