「微信(WeChat)」がいつの間にか「危信」に変身しつつある?微信の「モーメンツ」は、一部のネットワークで囁かれた噂が、同プラットフォームで広く伝わるという、SNSゆえの特徴を備えている。ネット上での「デマ」に悩まされ続けることにいよいよ耐えられなくなったケンタッキー(KFC)はこのほど、「微信でデマを流布した」として、微信アカウント10件を訴えた。同社は、権利侵害行為を即刻停止し、謝罪するよう求めたほか、風評を流したアカウント10件が属する企業3社に対し、総額350万元(約7千万円)の損害賠償を要求した。広州日報が報じた。
ケンタッキーによると、今回提訴した微信アカウント10件はいずれも、深セン市贏陳安之成功文化伝播有限公司、山西微路況科技有限公司、太原零点科技有限公司の3社に属しており、法院(裁判所)は、訴状をすでに受理したという。
ケンタッキー中国業務の屈翠容総裁は、次の通りコメントした。
「ケンタッキーが使っている鶏は、6つの翼と8本の足を持つ奇形鶏だ」というデマが、かなり以前からネット上に広まっており、初期の頃は電子メールやBBS、ここ2年は微博(ウェイボー)、現在は微信と、ほぼ全ての主要メディアで流布されている。今年上半期、この噂が再び蒸し返された。以前にも起こった消費者からの苦情と「奇形鶏」の風評が一緒になり、ショッキングな題名と明らかに加工した痕跡のある画像が、微信アカウントを通じて、「モーメンツ」で大量に転送された。4月末の時点で、微信アカウントには4千件を上回る関連投稿が確認され、うち130以上のアカウントの投稿で、クリック回数が10万を超えた。このような状況は、消費者の誤解を招くだけではなく、ブランドの名誉にも傷かつくゆゆしき問題だ。
奇形鶏を使っているという噂は、全くもって荒唐無稽な話だ。今のバイオテクノロジー技術は、6つの翼と8本の足を持つ鶏を生み出すレベルには、まだまだ至らない。もう一つ、「フライドチキンから生きたウジムシが見つかった」というデマについても、是非をごっちゃにしたもので、もともと消費者からの苦情に端を発した話だ。当時、ケンタッキーはチキンを宅配で消費者宅に届けたが、お客が最後まで食べずにチキンを包まず露出したまま放置した。適切に保管しなかったために、数時間後、シマバエがチキンに幼虫を産みつけ、チキンから生きたウジムシが見つかる、という結果となった。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年6月3日