昨年12月14日に月面に着陸した月面ローバー「玉兎号」は現在、すでに3カ月の設計寿命を終えたが、システム制御の異常は未だ解消されていない。地球上の「仲間たち」は、玉兎号のため手に汗を握っている。玉兎号は月面であとどれほど頑張ることができるのだろうか?寿命を迎えようとしているのだろうか?成都商報が伝えた。
月探査プロジェクト副総設計者、中国航天科技集団科技委員会副委員長の于登雲氏は2日、「玉兎号は現在、ただ走行できないだけで、大脳・口・心臓にあたる機器はどれも正常に稼動している。探査データと写真も、正常に地球に伝送できる。3カ月の設計寿命が過ぎたが、科学者は故障原因の分析を諦めていない」と語った。
玉兎号は3月24日、月での4日目の夜を迎え、スリープ状態に入った。現時点では、これまでの故障を除き、すべてが正常な状態を維持している。于氏は、「設計上の3カ月の寿命は過ぎたが、機能を完全に失うまで使用を続ける」と述べた。
◆着陸機から20m内、相互撮影が可能
于氏によると、玉兎号の停留地点は着陸機からそれほど離れておらず、着陸機の南西20m未満の距離に位置する。両者は相互撮影が可能で、相互の通信にも支障はない。
それでは、玉兎号はいつ任務を完遂し、寿命を迎えることになるのだろうか?于氏は、「宇宙船の寿命は設計の時点で確定しておく必要があり、玉兎号の科学目標は3カ月の期間があれば十分とされた。しかし玉兎号の科学任務は、3カ月内に完了した。3カ月が過ぎた後も玉兎号は依然として使用可能で、力を発揮し続けることになる。玉兎号の真の意味での退職は、最後にいかなる信号も出せなくなった時になる。嫦娥2号も設計上の寿命を過ぎているが、地球から8000万km離れた場所を飛行しており、現在も稼働を続けている」と説明した。
于氏は、「玉兎号の科学探査機能は失われていない。玉兎号は故障が残されており、遠くの場所に行けず、遠くを見ることができない。しかしその場に留まり続け、データを伝送することはできる。玉兎号が一つの地点に留まり探査を繰り返したとしても、そのデータは役に立つ。科学者はこれまでのデータを確認・分析し、研究を深化させることができるからだ。科学者は現在も、玉兎号から伝送された画像と写真の分析を進めている」と話した。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年4月3日