月面ローバー「玉兎号」は14日に自主的にスリープ状態を解除し、月の4日目の昼の作業期間に入った。月探査機「嫦娥3号」システム首席科学者の葉培建氏は、玉兎号のコンディションについて「予想を上回るほど良い。玉兎号がこれほど良いコンディションを保っているとは予想外だ」と評価した。新華網が伝えた。
葉氏は、「存在していた問題は現時点でも解消されていないが、その他の設備は正常で、月探査レーダーが作業を開始しており、360度パノラマカメラも正常に撮影を実施している」と述べた。
中国国防科技工業局からの情報によると、着陸機と月面ローバーに搭載されている設備はすでに再起動し、計画通りに月探査を実施している。
葉氏は、「規定の寿命は3カ月に設定されており、玉兎号はすでに自身の使命と任務を完遂している。今後は動けなくても、スリープ状態を解除できる。半月ごとに目を覚まし、作業をすることになる」と説明した。
今回は何日間作業できるだろうか?葉氏は、「理論上は14日だが、実際の作業時間が14日になることはない。これは月面の温度が低いからで、朝を迎えすぐに目覚めることができず、日照条件の良い午前もしくは正午に目覚めるためで、他にも月の夕方6時になる前に眠る必要がある」と説明した。
昨年12月14日の月面軟着陸の成功より、玉兎は月の3日間の夜の極端な低温という試練を乗り越え、4日目の昼を迎えた。作業計画および関連手順に従い、月面ローバーは長期管理モードに移ろうとしている。
月面ローバーのシステム制御の異常という問題は解消されておらず、関係者は故障の原因究明を続けている。月面ローバーのその他の機能は正常で、搭載されている360度パノラマカメラ、月探査レーダーなどの4台の設備は計画通りに科学探査を実施している。今後の月の昼の作業時間に、月面ローバーに搭載されている設備は地球制御センターの指揮・抑制を受け、その後の探査作業を続けていく。
嫦娥3号の着陸機と玉兎号は3カ月間の昼の作業時間に任務を完遂し、多くの技術・科学データを取得し、今後の月探査および科学研究の堅固な基礎を築いた。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年3月17日