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中国人科学者 静脈認証システムを開発

 中国人民解放軍国防科学技術大学(略称は国防科技大学)の電子科学・工程学院が約10年間の研究を経て開発した人体静脈特徴認証システムが7件の特許を取得し、実際に使用されることになった。同システムは、セキュリティー問題の専門家から「国内高級セキュリティーシステムの空白を埋めた」と認められた。これは中国の生体認証技術分野における画期的な進展だ。科技日報が伝えた。

 血液中のヘム鉄錯体は赤外線を吸収するという特徴を持つ。同システムは、近赤外線を感知する小型カメラを用いて指を撮影することで、血管の見えにくい部分を照らし、画像を得ることができる。血管の画像にデジタル処理を行えば、その構造的な特徴が身分認証の根拠となる。国防科技大学の実験室において、記者は指紋認証装置に似た静脈認証装置を目にした。事前に静脈データを入力しておけば、指をその中に入れるだけで(接触する必要はない)、金庫を開くことが可能だ。

 現在使用されている主な生体認証セキュリティー技術には、指紋認証、虹彩認証、顔の認証が含まれる。しかしこれらには、次のような欠点が存在する。(1)指紋認証は盗まれやすく、コピーされやすい。指紋の特徴は時として生体特性にはならず、安全性が低い。(2)虹彩認証の画像を得るための設備は高額で、設備の小型化も困難だ。また認証距離と目の状態に厳しい条件が設けられており、利便性が低い。(3)顔の認証は、写真や動画の合成といった攻撃・偽造の被害にあいやすく、本人の認証が困難だ。

 指の静脈認証には、これらの欠点が存在しない。国防科技大学の謝剣斌氏は、「静脈は体内にあり、肉眼では見ることができず、指紋のように痕跡を残すことがなく、コピーされにくい。静脈は生体認証が可能であり、安全性が高い。次に、静脈は体内を流れる血液によって形成される。生体でなければ静脈は存在せず、その静脈の特徴は盗まれにくい」と語った。他にも、登録漏れの確率が非常に低く、指紋のように触れる必要がなく、設備が安価・小型であるといった特長も、普及に適している。(編集YF)

 「人民網日本語版」2013年1月29日

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