田園洞人、中国人の直系の祖先か DNA解析
中国人科学者が率いる国際研究チームはこのほど、北京の周口店遺跡近くで発見された「田園洞人」の骨から核DNAとミトコンドリアDNAを抽出することに成功した。DNA解析の結果、田園洞人はネアンデルタール人やデニソワ人など旧人のDNAをわずかしか持たず、早期現生人類の遺伝的特性を多く備えていた。さらに、田園洞人は現代のアジア人やネイティブアメリカン(モンゴロイド)と密接な血縁関係を持ち、現代のヨーロッパ人(コーカソイド)の祖先とは遺伝的に分岐し、異なるグループに属することがわかった。同成果はこのほど出版された「米国科学アカデミー紀要」で発表された。光明日報が伝えた。
2001年に発見された田園洞遺跡は、有名な周口店北京猿人遺跡から約6キロメートル離れた北京市房山区に位置する。中国科学院古脊椎動物・古人類研究所の科学者は田園洞遺跡の発掘と研究を進めており、下顎骨、四肢骨の一部を含む田園洞人の骨のほか、哺乳類の動物の骨を大量に発見、田園洞人の生きていた時代を4万年前と確定した。
同研究の主宰者の一人、中国科学院古脊椎動物・古人類研究所の高星研究員は「これまでの考古学研究から判断するに、現生人類は4-5万年前にはすでに形成されたと見られる。しかしこの結論は分子面での証拠に欠ける。田園洞人のDNA解析の結果、現在の中国人の直系祖先が4万年前の北京にまでさかのぼれることがわかった」と語る。
同研究におけるもう1つの革新は、化石からDNAを抽出する新技術の発明だ。付巧妹氏、高星氏、ドイツ科学者Svante P.bo氏らによる国際チームは田園洞人の足の骨から核DNAとミトコンドリアDNAを抽出することに成功した。(編集SN)
「人民網日本語版」2013年1月25日