CPI上昇率が3カ月連続で3%台に、来年は物価上昇圧力が拡大か
消費者物価指数(CPI)上昇率が3カ月連続で3%台を維持している。中国国家統計局が12月9日に発表したデータによると、11月の全国CPIは前年同月比3.0%上昇した。9月の上昇率は3.1%、10月は3.2%で、いずれも3%以上だった。新京報が伝えた。
◆食品価格がやや低下
11月の食品価格は前年同月比で5.9%上昇し、CPI上昇率に対する寄与度が約1.92ポイントに達した。生鮮野菜価格は22.3%、食肉価格は5.5%上昇した。
中国国家統計局都市司高級統計士の余秋梅氏は、「11月の食品価格を具体的に見ていくと、上昇・低下した食品があったが、全体的にはやや低下した。食料・牛肉・羊肉・牛乳・果物価格が前月比で上昇したが、豚肉・卵・野菜・水産物価格がやや低下した」と語った。
余氏は、「野菜価格は地域間の変動と差が激しい。東北地区と西北一部地区は気候の影響を受け、野菜価格が前月比で上昇した所が多かった。一方で華東・中南・西南地区の野菜価格は、全体的に前月をやや下回った」と説明した。
中国国際金融有限公司(中金公司)のチーフエコノミストの彭文生氏は、「11月のCPI上昇率の低下は、主に食品価格の低下によるもので、食品以外の価格の動向は安定している。食品価格の季節外れな低下は、CPI上昇率が低下した主因であり、汚職撲滅運動も原因である可能性がある。主要食品の良好な供給状況の他に、汚職撲滅政策の高級レストラン、関連農産物・食品の需要に対する持続的な抑制効果も反映された」と指摘した。
◆年間目標達成が濃厚
国家情報センター経済予測部マクロ経済研究室長の牛犁氏は取材に応じた際に、「3.0%という上昇率は市場の予想を下回っており、物価が適度に抑制される流れを示した。今年の予定されていた目標達成に、懸念材料は存在しない」と語った。
交通銀行金融研究センターは昨日発表した報告の中で、「12月のCPI上昇率は3%未満に戻るだろう。全体的に見て、年内の変動のピークはすでに過ぎており、中国国内の物価上昇率は安定化している」と分析した。
交通銀行は、「今年通年のCPI上昇率は約2.7%となり、政府の通年3.5%の物価抑制目標を下回る」と予想した。しかしCPIの動向を見ると、CPIは今年上昇周期に入った。一般的に、中国国内のCPIの上昇周期は約2年間続き、2年目にピークを迎える。ゆえに来年の物価上昇圧力は、今年よりやや拡大される可能性がある。
◆物価抑制、短期的な金融政策の重点ではない
彭氏は、「物価上昇が安定化する中、中央銀行の最近の金融引き締め策は、潜在的な金融リスクの抑制の意図を反映している」と指摘した。
金融当局は現在、高めの銀行間市場金利を維持し、銀行業の資産規模を縮小している。彭氏は、「これは主に不動産バブル・地方政府融資プラットフォーム・シャドーバンキングという三位一体型の金融リスクを抑制するためだ。物価抑制は、短期的な金融政策の重点ではない」と分析した。
彭氏は、「シャドーバンキングなどの慎重な監督管理措置が徹底されるまで、金融政策はやや引き締めの傾向を維持するだろう。これは客観的に見て、今後のCPI上昇率を抑制するだろう」と語った。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年12月11日