国防部:東中国海防空識別圏は危険空域ではなく安全空域
国防部(国防省)の耿雁生報道官は3日、中国による東中国海防空識別圏の設定について談話を発表した。
2013年11月23日、中国政府は東中国海防空識別圏を発表した。これは国家の主権と領土領空の安全を守るために必要な措置であり、国際空域の飛行の安全の維持にも寄与し、国際法と国際的慣例に合致する。東中国海防空識別圏は発表以来、理解し、同意する国や人々が増えている。だが誤解や誤読、さらには歪曲や中傷も一部に存在する。私はここで中国国防部を代表して、外部の注視する若干の問題について説明を行う。
■防空識別圏は領空や飛行禁止空域とは異なる
防空識別圏を領空と言いなし、他国の権益の侵害だと中国を誣告する声がある。防空識別圏を飛行禁止空域と同一視し、上空通過の自由への深刻な妨げだと中国側を非難する声がある。こうした見解はいずれも正しくない。防空識別圏と領空および飛行禁止空域は本質的に異なる。防空識別圏はその国の領空ではなく、領空外の国際空域に設定した識別と早期警戒の範囲だ。防空識別圏は飛行禁止空域ではなく、他国の航空機が国際法に基づく上空通過の自由への影響はない。国際的慣行に基づき、設定国は防空識別圏を飛行する航空機に対して識別と調査を行うことができる。中国側の防空識別圏設定は、国家の航空の安全を確保するのに十分な早期警戒の時間を得るためであり、要は防衛であり、いかなる特定の国や目標も念頭に置いておらず、ましてやいかなる国や地域に対しても脅威にならない。
東中国海防空識別圏に対する中国の監視・管理能力を疑問視する声がある。国家の領土領空の安全を守る中国軍の決意と意志は断固として揺るぎないものであり、東中国海防空識別圏に対して有効な監視・管理を行うことが完全にできる。通常の状況では、監視・管理は飛行計画の提出やレーダー識別により行うが、必要時には軍用機を発進して識別・調査することもある。具体的な監視・管理方法は、軍用機か民間機か、脅威の程度、距離の遠近などの要素に基づき決定する。
中国にとって脅威でないと判明すれば、戦闘機を発進する必要はないが、必要な監視は行う。一定程度の脅威であると判明した場合は、軍用機を適時出動して識別処置を行う。周知のように、民間機は圧倒的多数の状況下では脅威にならない。中国側は一貫して国際法に基づく各国の上空通過の自由を尊重しており、東中国海防空識別圏内での国際線の規則に従った正常な飛行は、いかなる影響も受けることはないし、実際にもそうだ。