日本の「和食」、無形文化遺産に決定も若者離れ進む
中国メディアが見る日本 国連教育科学文化機関(ユネスコ)は4日、「和食 日本人の伝統的な食文化」を無形遺産に登録することを決定した。しかし日本では、この伝統的な和食が「絶滅危惧種」のリストに入れるべき状態に陥っている。ドーナツやフライドポテト、フライドチキンといった外国のファーストフードの台頭に伴い、お米などを含む日本の伝統的な食べ物の消費量が徐々に下がりつつある。環球網が伝えた。
和食とは、伝統的な日本料理の総称であり、米や旬の食材を使用し、独特の風味を持つが、下準備・調理に手間隙がかかる。静岡文化芸術大学の熊倉功夫学長は「和食はすばらしい料理だが、日本では若者の和食離れも進んでいる。彼らは味が濃く脂っこい料理を好む傾向があり、一種の西洋化と言える。日本人は日本文化にもっと誇りを持つべき」と語る。
データによると、日本の米消費量は15年前の944トンから779トンにまで減っている。クリスピー・クリーム・ドーナツ、ドミノピザ、マクドナルドといったファーストフードチェーン店は日本のいたるところにあり、短時間で低価格の食事を提供するこれらの店はサラリーマンにとって魅力的だ。
日本で和食の人気が下がるのに伴い、日本の家庭でも伝統が失われる恐れが出てきている。例えば元旦などの祝日に家族がそろって食事を作る光景も失われつつある。
日本のある主婦は、母親と祖母から料理の作り方を教わった。彼女の作る肉じゃがは、夫と息子の大好物だ。「たまにフライドポテトなども作るが、和食はやはり一番慣れ親しんできた料理で、身にしみ込んでいる」。
東京の某レストランで調理師として働く宇田さん(47)は、17歳のときに和食に一生を捧げることを決意した。宇田さんは「日本料理は見た目は美しいが、準備と調理に手間隙がかかる。最近は人々の生活が忙しくなり、なかなかそういった時間が取れない」と語る。(編集SN)
「人民網日本語版」2013年12月5日