2013年、中国人の生活を変えた出来事 (2)
▽煙霧:「北京を離れる決め手になった」
やむことのない煙霧は、大学院への道を進もうとしていた羅さんに北京を離れる決心をさせた。「卒業しても北京にとどまろうと思っていました。でも北京はこのところ天気などの問題が深刻なので、卒業したら故郷に帰ることにしました」
データによると、年初以来の全国の平均煙霧日数は29.9日で、1961年以来52年で最多となっている。6月を例に取ると、北京の煙霧日数は18日に達し、ここ10年の同月平均の3倍に達した。上海や天津、重慶、広州などの大中型都市の煙霧も日増しに深刻化している。
このため「どうしても大都市にとどまりたい」という考えを捨てる若者も少なくない。羅さんにとっては、生活の質の方がやはり重要で、「大都市で楽しくもなく生活するくらいなら、小さな都市でのんびりしていた方がいい」という。
▽出産政策緩和:「ぜいたくな選択」
夫婦のどちらかが一人っ子であれば二人目を産めるという政策が打ち出されることを知った時、すでに息子を持ち、この条件にも合う李紅さんは、しばらくこれを喜んでいた。だがすぐに「二人目を産むのはぜいたくな選択ではないか」と悩み始めた。李さんと同じように「産むべきか産まざるべきか」と悩んでいる中国人家庭は少なくない。
統計によると、新政策の下では上海には第二子出産の資格のある家庭が40万世帯余りある。だがメディアが1200人の上海の住民に対して行った調査によると、70%の回答者が「二人目は欲しくない」と答えた。このうち24%ははっきりと「一人しか要らない」と答え、46%は「たぶん一人でいい」と答えている。
子どもを育てる費用は、人々の出産をためらわせる大きな原因となっている。ある人によると、上海で子どもが生まれてから大学を卒業するまでにかかる費用は少なくとも100万元に及び、普通の上海の家庭が毎月子どもの幼稚園通いにかける支出は3000元、英語や美術の習い事にかける支出は2000元に達するという。子どもの教育費用が家庭の月収の半分を占めてしまう。
一人目が息子だった李さんは、二人目も男の子だったらどうしようと心配している。中国の伝統的思考によれば、男の子にかかる費用は女の子にかかる費用よりもはるかに高い。「子どもが大きくなって結婚をしたら、家を買うのを助けなければならない」。人口増加による就学難や就職難のことを考えると、一般家庭にとっても、国家にとっても、第二子政策の将来は試練を投げかけるものとなりそうだ。(編集MA)
「人民網日本語版」2013年12月5日