中国政府、米国での中国語学習需要サポートを加速
Susan Wangさんがカリフォルニアに来たのは16歳の時だった。彼女はその時、英語が話せなかった。49歳になった彼女は、自分のような経験を持つ米国人の子供のための学校の校長を務めている。彼女の学校の使命は、米国人の子供達を中国語の世界に誘うことにある。「イマージョン・プログラム(没入式)」中国語教育メソッドが今、米国で急成長している。その背景には、中国政府が、資金不足に悩む米国の学校に対し、ネイティブ中国語教師を低料金で派遣しているという事情がある。最年少の学生はわずか5歳という。AFP通信の17日付の報道を引用して環球時報が伝えた。
中国語イマージョン・プログラムは、米国で特に目新しいものではないが、世界における中国の役割が急速に拡大し、中国語学習ニーズが日増しに高まっている状況のもと、米国政府も、アジア太平洋地域全体における外交政策の転換を進めている。
統計データによると、過去10年、他の外国語の学習熱が次第に低下しているのをしり目に、中国語教育は米国全体で高まりを見せている。ワシントンD.C.にある応用言語学センターのNancy Rodos氏は、「中国語は、学習熱が高まっている数少ない外国語のひとつで、米国は今まさに、中国語ブームの渦中にある。一方、フランス語、日本語、ドイツ語など、他の多くの外国語教育は下火になっている」と語った。
ネイティブ中国語教師の海外派遣については、中国教育部門も一役買っている。Rodos氏は、「中国が無料あるいは低料金で中国語教師を派遣してくれることは、予算が大幅に削減されている米国の学校にとって、願ってもないことだ」と指摘した。
米国の中国系家庭はこれまで、文化伝承の力や母国中国の人々と交流する力を強める目的で子供を中国語学校に通わせるケースが多かった。しかし、今では、経済的な目的や将来の職業選択に有利という理由から、子供に中国語を学ばせる親が増えている。Wangさんは、「もし彼らが、米国以外の土地で仕事をする意思があるのなら、米国を離れるチャンスを提供してやりたい」と語った。
親や祖父母が中国人という子供もいるが、教室で学習意欲に燃えるその顔は、アフリカ系、アングロサクソン系、ラテンアメリカ系と、本当にさまざまである。
Rodos氏は「米国における中国語教育は、これまで、西海岸と大都市で盛んだったが、今では、より多くの中国語教育プログラムが全米各地で盛んに行われている。このブームが当面続く可能性は高い」と強調した。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年3月20日