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国連の推計によると、インドの人口が今年4月に中国を抜いたとみられる。人口大国の中国とインドがトップの座を交替したことは、中国の経済成長の原動力がインドより弱くなったことを意味するのだろうか。
中国人口学会がこのほど開催した学術シンポジウム「人口の質の高い発展が中国式現代化を支える」において、中国人民大学人口・発展研究センターの研究者の李龍氏は、「経済成長は人口の規模と直接関係があるわけではない。人口の意義について考えると、経済成長の原動力に影響するものとして、生産年齢人口の総人口に占める割合や労働参加率など労働参加の要因、または教育や都市化レベルなどの労働産出の要因が挙げられる」と述べた。
インドの人口規模は中国を抜いたが、中国の生産年齢人口の割合はインドをはるかに上回っている。李氏は、「インドの現在の年齢構造は経済成長にとって非常に有利なものであり、今まさに人口ボーナスの黄金期が到来したところだ。しかし一人当たり国内総生産(GDP)、平均寿命、教育レベル、都市化レベルなどを考えると、目下のインド経済の発展レベルは中国の1990年代後半にほぼ相当する程度だ。もう一歩進んで、インドの現在の経済発展段階に対応する発展段階にあった当時の中国の人口年齢構造と比較してみると、インドの生産年齢人口の割合は今後40年間にわたって、その時のインドの経済発展レベルと同等の経済発展レベルにあった時の中国よりも低い状態が続き、人口ボーナス期も中国を上回らないことがわかる。インドの人口の年齢構造の優位性は40年後になって顕在化するとみられる」と述べた。
インドの人口規模は中国を抜いたが、生産年齢人口の割合は同等の経済発展レベルの時の中国よりも長期にわたり低い状態が続くとみられる。インドの生産年齢人口の労働参加率は中国との差が明らかで、中国は21世紀半ばにも引き続き世界一の労働者大国の地位をキープするだろう。教育レベルと都市化レベルの面では、インドよりも明らかな中国の優位性はこれからも経済成長を非常に力強く推進する役割を果たし続けるはずだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年6月16日