ペット専門フォトグラファーや漢服コーディネーター、密室デザイナーなど、新しい職業が今、中国の若者の間で人気となっている。中国青年報 が報じた。
近年、経済や社会が発展し、テクノロジーが進歩し、産業構造の調整が進むにつれて、中国では新産業、新業態、新スタイルが続々と登場し、労働市場に新たな風を吹き込んでいる。ある機関が最近発表した報告によると、新職業従事者の55%の月收が5000元(1元は約15.08円)以上で、24.6%が1万元以上となっている。新職業は、従事者の間で広く認められ、就職における新たな「蓄水池」となっている。
密室デザイナーの趙鵬■さん(■は羽へんに中)は2017年、趣味が高じて、イマージョン密室「暴風島」を立ち上げ、「白霧劇院」など、大好評となった密室を自ら製作した。
密室デザイナーになる前、趙さんは中国通号研究開発部門で6年間働き、能力あるエンジニアであり、プログラマーでもあった。起業した理由について、趙さんは「密室デザインのほうが自由で、やりがいがある」と説明する。
「高速鉄道のエンジニア」から、「密室デザイナー」に転身した趙さんは、「密室デザイナーは直感、自分が自分の後ろ盾であると信じなければならないのに対して、高速鉄道エンジニアは数学や産業全体が自分の後ろ盾であると信じなければならない。しかし、2つの職業共に、製品の細かなところにまで気を配らなければならず、きつい仕事ではあるものの、達成感が大きいという点は同じだ」と、2つの職業には違いもあれば、共通点もあることを説明する。
趙さんと同じく、張天航さんもペット専門フォトグラファーという新職業についた。張さんは、「中国のイヌ専門のフォトグラファー第一人者」と言われている。英国ノッティンガム・トレント大学の修士課程で、イヌの撮影を専門に学んだ張さんは今年、英国のザ・ケネルクラブが主催するフォトコンテスト「Dog Photographer of the Year」で、二等賞を受賞した。アジアで入賞したのは張さんだけだった。
写真を始めたばかりの時は、張さんはいろんなものを撮影の対象にしていたものの、内気な性格であるため、少しずつ対象が動物になっていったのだという。そして、動物園で撮影した「動物の目」をテーマにした写真が評価されて、大学院生として留学して写真を専門に学ぶ機会につながった。大学院生の時、教師からも1つのテーマに的を絞って、撮影対象をよく研究するようにと勧められた。フォトグラファーになって10年になる張さんはこれまでに、たくさんのペットの姿をカメラに収め、それらの作品は多くの人に感動を与えてきた。