ペットとしてネコを飼うのが現在、大流行中の中国。ではそんなネコたちが宋代の人々の暮らしを再現したらどんな風になるのだろうか?このほど出版された「吾輩は宋代の猫である(吾輩宋朝猫)」は、そんな想像をイラスト化してくれている。このイラスト集には、田舎や街中、春夏秋冬の人々の生活、民間の風俗、習慣のほか、文人や雅な人々、朝廷の君臣など、「清明上河図」や「東京夢華録」で描かれている様々なシーンに登場する人物を全てネコで描いている。中国新聞網が報じた。
ネコたちは、宋代の人の衣装を身にまとっているほか、さまざまな仕事をしている。その行動は人とほとんど同じであるものの、爪をなめるなど、ネコ独特の習性も描かれている。
宋代の人と同じく、このネコたちも、春になるとピクニックに行き、夏になるとハスの花を鑑賞し、秋になると山に登り、冬の夜になると温めた酒を飲む。イラスト集では、旧暦の8月15日前後に、大潮になり、波立つ河川・銭塘江で、旗を持って、大はしゃぎしているネコたちが描かれている。
銭塘で遊ぶネコ。画像は「吾輩は宋代の猫である」から
現在、私たちは「清明上河図」を通して、宋代の街中の様子を知ることができる。そこに描かれている川には船が浮かび、川辺には飲食店や茶屋、商店などが並ぶ。「吾輩は宋代の猫である」でも、ネコたちが忙しそうに往来し、活気づいている川辺が描かれている。そこでは、間もなく到着する船の上で荷物を下ろす準備をしたり、既に到着した船から荷物を下ろしたり、それを背負って運んだりと、ネコたちが忙しそうに働いているほか、船で運ばれてきた品物に興味津々のネコもいる。
船から荷物を降ろしたり、運んだりと忙しそうに働くネコたち。画像は「吾輩は宋代の猫である」から
宋代、街中には商店がたくさん並び、夜市もあった。ランプが灯され明るい夜市で、人々は飲食店や茶屋に出入りしたり、街中をウロついたりと、大変賑やかだ。
夜市。画像は「吾輩は宋代の猫である」から
一方で、宋代の田舎には商店はほとんどなく、商品を肩に担いで売り歩く「担ぎ売り」がいた。
頭に大きな鳥の羽や旗をさしているこの「振売」のネコは、小さなシンバルを敲きながら、凧やでんでん太鼓、茶、茶碗、ほうき、裁縫道具、野菜、果物などが入ったかごが吊るされた天秤棒を担いで田舎町を歩いている。
「振売」ネコ。画像は「吾輩は宋代の猫である」から