映画評論家の劉賀さんは、「ジャニーズ事務所は日本の芸能界で確かに多くの人気グループを送り出し、トレンドを引っ張り、スターの育成やアイドルビジネスなどで、中国よりも遙かに先を行っている。日本は文化コンテンツの属性やそれがもたらす経済効果を相対的に早く意識したため、一連の配置の下、日本文化は中国をはじめとするアジア各国に徐々に影響を及ぼしていった。最盛期にはジャニーズのモデルを維持していれば成功でき、モデルは成熟し、ファンの消費意欲も高まった」と話す。
▽新旧交代期か
スターを取り巻く新しい環境の中、ネットとともに成長した新世代は「飢餓商法」には心を動かされず、親密な双方向体験が過去の神秘的なイメージ作りに取って代わり、ファン経済の中心になった。
韓国のオーディション番組「PRODUCE 101」はジャニー氏がさんざんやった手法ながら、スターをじっくり養成するモデルで一躍アジアの社会現象になるようなオーディション番組になり、視聴率は過去最高の3.7%を記録し、瞬間最高視聴率は4.1%に達した。勝ち抜いたメンバーで結成された男性グループのWanna One(ワナワン)は、韓国で最高のコンサート会場とされるソウルの高尺スカイドームでデビューを飾り、約2万枚のチケットが発売開始から1分で完売した。
この点においては、閉鎖的なジャニーズ事務所は敗北を喫したといえる。劉さんは、「今は韓流の衝撃があり、中国の文化コンテンツも徐々に外に影響力を与え、一連の映画やテレビドラマの海外進出などがその例だ。これらは日本にとっても挑戦であり、日本は新しいモデルを試すべきで、これまでの場所にとどまるのではない。観客の規模を考えると、日本の人口には限りがあり、中国市場はもっと大きいが、イノベーションはいつだってそれほど容易ではない。また優れたアイドルは不足しがちな存在であり、挑戦はこれからも続いていく」と話す。
18年にジャニーズ事務所は動き出した。1月にタレントのネット画像の肖像権を開放し、公式サイトで高精細の大きい画像を使用するようになっただけでなく、ネットメディアも所属タレントが参加するイベントを何でも報道できるようになった。18年6月には山下智久が微博(ウェイボー)を開設し、SNSアカウントをもつジャニーズのタレント第1号になった。12月には木村拓哉も微博を開設した。