これと対応する変化は、中国が世界最大のぜいたく品の潜在的消費市場であると認識した世界の大手ぜいたく品ブランドが、中国での店舗戦略やマーケティング戦略を調整するだけでなく、中国人消費者向けの限定商品を打ち出すようになったり、ますます多くの新製品を中国で最初に発売するようになったりしたことだ。
エルメスを例にすると、今年2月に発表した18年第4四半期の決算によれば、アジア太平洋市場で固定レートの売上成長率が11.6%を記録し、日本の8.1%の成長率を除いて計算すると13.1%になる。今年初めには香港、長沙、西安に直営店をオープンし、上海IFC店をリニューアルした。
「中国の発展が一定の段階に到達すれば、現在の日本のように低欲望社会に突入する」と予言する人がいるが、ぜいたく品企業が今こうした問題を考えるのは時期尚早だ。楽観的な見方をする人は、「現在の成長ペースがしばらく続く。中国のミレニアル世代がぜいたく品への興味や購入意欲を失うことはない」という。UBS銀行が最近行った調査では、ミレニアル世代の71%がお金に関する今後の見通しに楽観的な態度を取り、81%は収入が増えると考えていた。
だが、ぜいたく品企業が警戒しなければならない側面もある。賃料、マーケティング費用、オピニオンリーダーとの協力などを含め、各種費用が増加するのに伴い、中国市場でのブランド経営コストも上昇を続けている。各ブランドともデジタルマーケティングへの投資も増やしている。ランヌ氏は、「デジタルマーケティングへの投資は15年は一部分だったのが、今や半分を超える水準に達し、18年は60〜70%だった」と予想する。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年3月25日