日本の食品の安全性を揺るがすような問題が相次いでおり、コンビニも例外ではない。複数の食品スキャンダルがこのほど日本メディアの報道で明らかになった。大手定食チェーン「大戸屋」及び回転寿司チェーン「くら寿司」では、いずれも食品の安全にかかわる問題が発覚した。また、大手コンビニチェーンの「ファミリーマート」や「セブンイレブン」で、商品を舐めたり、商品を口に入れてまた戻したりするといった不適切な行動が発覚した。 北京商報が伝えた。
今回の食品業界の騒動は負のスパイラルに陥っているセブンイレブンの縮図のようだ。スキャンダルが発覚する数日前に、「朝日新聞」によると、コンビニ最大手のセブンイレブンは「24時間営業」の見直しを検討しているという。44年にわたって、24時間営業を続けてきたセブンイレブンが夜間休業を検討する背後には、「コスト」の問題がある。
日中に比べると、夜間の売り上げは減る一方、スタッフの時給は日中より25%増となる。つまり、採算が合わないということで、加えて、日本は深刻な人手不足に悩まされており、セブンイレブンも経営方針の見直しを迫られている。その問題の解決策の一つが、外国人労働者を雇用することだ。昨年、コンビニエンスストア各社が加盟する業界団体「日本フランチャイズチェーン協会」が、外国人技能実習制度の対象として「コンビニの運営業務」を加えるよう、国に申し入れた。「ローソンストア100」も発展計画に外国人を盛り込んでいる。外国人労働者は今や、日本のコンビニを支える大きな力となりつつある。
反比例する日本と海外の業績
日本のコンビニは苦境に立たされているものの、世界を見ると、コンビニは勢いよく成長している。最近発表されたある統計によると、2018年上半期、セブンイレブンを経営するセブン&アイ・ホールディングスは、米国でのコンビニ事業が絶好調だったこともあり、営業収益が前年同期比11.9%増の3兆3435億円、営業利益が同比2.6%増の1996億円と、過去最高を更新し、業界トップだった。2位のファミリーマートも安定して利益を確保している。
絶好調の業績を見ると、「日本のコンビニは永遠に倒れない」という思いにさせられる。しかし、その背後で、日本のコンビニは本土で「中年の危機」に直面し、三大コンビニチェーンも例外なくその問題に悩まされている。18年上半期、セブンイレブンの日本における営業利益は前年同期比2.5%減、ファミリーマートの日本の店舗の売上高は0.4%減、ローソンに至っては売上高と営業利益が揃って減少した。
日本のコンビニがスランプに陥っている兆候は早い時期から現れていた。日本のコンビニのシェアのほぼ80%を、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートの3ブランドが占めている。ある統計によると、コンビニ大手7社の昨年2月の既存店客数は前年同月比1.4%減となり、16年3月から24ヶ月連続で前年を下回った。セブンイレブンとローソンは8ヶ月連続で前年を下回り、ファミリーマートは11ヶ月連続で下回った。
17年末、ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)は、コンビニエンスストアのサークルKサンクスの店舗について、当初計画より295店舗多い664店舗を4ヶ月以内に閉鎖すると発表した。サークルKサンクスは日本のコンビニ業界4位のブランドだ。HDは同時に、ファミリーマートの中国の店舗数が300店舗を超えたと発表したことは注目に値する。日本では不調であるため、中国で活路を求めているという感じは否めない。
日本のコンビニの活路
日本のコンビニの客数減少は取り立てて必要のある「ニュース」では決してなく、臨機応変に店を設置するというのが、コンビニの鉄則だ。「3割は運、7割は場所」という戦略を展開するコンビニは毎年不採算店舗を閉鎖し、新興商業圏や立地条件の良い場所に新店舗を設置するため、店舗数は常に増加し、客が他の店舗に流れて1店舗当たりの客数は減ることも多い。