日本では政府からメディアまで、とりわけ経済界と市場とが、こぞって世界の経済貿易摩擦の進展状況に大きく注目している。日本がこの問題にことのほか関心を寄せる理由は3つある。「経済参考報」が伝えた。
第1に、日本は解決が難しい日米貿易摩擦の問題に直面しており、米国と早急に協議したいと考えチャンスをうかがってきた。長年にわたり、日本は米国に対し巨額の貿易黒字を維持しており、日米貿易協議では巨大な圧力にさらされている。米通商代表部(USTR)は今月1日に議会に提出した通商政策に関する年次報告書の中で再び、「日本の農業や自動車などの分野に存在する貿易障壁が、米国の対日赤字を慢性的に悪化させている」と指摘した。USTRのライトハウザー代表も、「為替条項を協議の対象にしたい」とほのめかした。自動車と農産品の関税引き下げに為替の問題まで加われば、日本が受ける圧力はさらに大きなものになる。為替問題が提起されれば、日本が継続する超緩和政策に影響が及ぶ可能性があり、この政策はアベノミクスの根幹でもあり影響は甚大だ。
第2に、日本はグローバル化が進んだエコノミーで、輸出に頼っている。製品がスムーズに輸出できるかどうか、特に巨大市場の中国への輸出がスムーズかどうかは、日本経済に直接関わってくる。産業チェーンという視点でみると、日本の多くの産業はその盛衰が主要貿易パートナーの経済状況と切り離せない。そういう意味では、日本の関連産業は海外市場と一蓮托生の関係にあるということだ。
第3に、日本は1990年代以降、海外直接投資で利益を上げてきた。国際化した多くの大手企業さらには中小企業が、海外進出して海外に工場を建設し、会社を設立した。2018年の日本の国内総生産(GDP)は緩やかな成長にとどまったが、日本企業の海外子会社からの配当など直接投資による利益が前年比13%増と大幅に増加し、利益額が初めて10兆円を突破し、過去最高を更新した。この数字は日本の同年の貿易黒字の8.4倍にあたる。こうしたわけで、日本は自国の製造業の主要海外投資市場である中国の対外貿易状況が経済貿易摩擦の影響を受けないことを切に願うのだ。
貿易という視点でみると、日本は自国の輸出に注目するとともに、主要貿易パートナーにも注目している。自国の利益を出発点として、貿易摩擦の問題では、日本はずっと貿易自由化に賛成する立場を堅持し、保護貿易主義に反対してきた。民間の様子をみると、日本の民間も、特に民間企業も経済貿易摩擦の苦い果実を味わわされている。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年3月22日