学校でのいじめを無くそうとする日本の試み
日本各地の学校でいじめ問題が頻発するなか、各界からも注目が集まり始めている。文部科学省が2012年に発表した文部科学白書では、初めて学校でのいじめ問題について長文を割いて記載された。1つのテーマとして日本のいじめ問題に関して紹介し、「日本全国の学校でいじめを許さないといった規範意識などの確立が必要である」と強調している。
そんな日本では1980年代からすでに下記のような方法でいじめ問題の解決に着手している。
1.学業負担の軽減
教育改革で道徳教育を主とし、学生の学業の負担を軽減し、教師の対応能力の向上を図るというもの。呉博士は「日本は学歴主義の社会であり、学生は小さい頃から学業の負担が大きい。緊張とストレスが一定のレベルに達した場合、学校での暴力という形式で反映される。こういった認識から、日本の教育部門は学業の負担の軽減に努力してきた」と指摘している。
2.トップダウンの対応部門の構築
2012年8月、文部科学省は文部大臣直属の子ども安全対策支援室を設置し、学校でのいじめを苦にして生徒が自殺した場合など、国が学生や学校をサポートし、現地の教育委員会や学校側と共に事件の原因や関連した背景などの調査を迅速に進めるための支援を行っている。
3.学校と警察の協力体制の確立
いじめ問題は犯罪となる可能性があるため、文部科学省は2013年5月15日に政策の修訂を決定し、学校と警察の協力体制を強化した。学校が警察に問い合わせや通報した件数は統計され、学校と警察の協力体制を理解することで、いじめ問題の取り組みの成果を知ることができる。
4.法による対策
2013年6月21日、与野党6党により共同提出された「いじめ防止対策推進法」が参議院全体会議を通過し、学校でのいじめ問題が法律の範疇に組み込まれることとなった。この法案で、学生がいじめにより負傷したり、長期的に欠席せざるを得ないような重大事案が生じた場合、学校側は関連事実を調査し、学生と保護者に報告しなければならないと定めている。
5.第三者機関の介入
地方の教育部門と学校は「いじめ防止対策推進法」を元にいじめ問題対策委員会などの第三者機関を多く設置している。メンバーは一般的に大学教授や弁護士、カウンセラーなどで構成されている。学校でいじめ問題やいじめによる自殺などの深刻な事態が生じた際、これらの機関は単独で調査を行う権利を有し、いじめ事件を調査し、学校あるいは教育部門が学生の利益を損なうことを防ぐ。(編集TG)
「人民網日本語版」2016年5月27日