先日行われた上海協力機構外相会議は、南中国海問題についての各国の共通認識を盛り込んだプレス・コミュニケを発表した。外相らは南中国海をめぐる争いの処理について、▽争いはいずれも当事国の友好的な交渉と協議を通じて平和的に解決すべきであり、問題の国際化と外部勢力の干渉に反対する▽各国は「国連海洋法条約」「南中国海における関係国の行動宣言(DOC)」を順守し、DOC後続行動指針の全条項を実行すべきだ――との2つの重要原則を強調した。上海協力機構事務局長は自らの声明で、南中国海問題における中国側の立場および南中国海地域の平和・安定維持に向けた中国政府の努力への支持を表明した。(文:華益声・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
近年、南中国海問題で中国支持の声を挙げる国や国際組織が絶えない。南中国海問題で中国「コミュニティ」は一定の形を形成し、しかも拡大中だ。これが中国が他国を脅迫した結果ではないのは明らかであり、「是非は自ずと曲直が有り、公道は自ずと人心に在り」との真理は国際関係の各側面にも適用されるのだ。
南中国海の紛争問題では、「是非曲直」と「公道」は次の点で体現されるべきだ。
(1)国家の正当な権益は尊重されるべきだ。南中国海における中国の主権と海洋権益は長い歴史の過程で形成されたものであり、他国の同意も、いかなる手続きによる合法性の取得も必要としない。中国は2006年に国連海洋法条約第298条に基づき、海洋境界の画定、歴史的権利、軍事的行動、行政法執行などの問題を強制紛争解決手続きの適用から除外する除外声明を出した。中国がフィリピンの一方的に申し立てた仲裁を受け入れず、これに参加しないことは、国連海洋法条約を含む国際法に完全に合致する。また、国家の権益が正当か否かに国家の大小による区別はない。西側世論は白を黒と言い、中国の主権範囲内の行動を「小国いじめ」と中傷しているが、実際には中国の正当な権益を損なっているのだ。
(2)争いは双方共に受け入れ可能な方法で解決する必要がある。中国とフィリピンは過去の共同声明など二国間合意の中で、二国間の協議と交渉によって争いの解決を促進する必要性を確認した。「南中国海における関係国の行動宣言」もこの道筋を明確にした。フィリピンが「契約書」の精神に背き、中国への仲裁強要を企てるのは、紛争解決に無益だ。
(3)いかなる国家も国際法と国際ルールを思い通りに操ってはならない。米比は中国に「国際ルールを遵守しない」とのレッテルを貼るため、何かというと国際法を口にするが、実際には「公器の私用」だ。こうした行為は国際法の権威を弱め、国際秩序をかき乱すものであり、正義を支持する国々には認められない。