学校でのいじめ現象はどうして無くならないのか
学校でのいじめ問題に対し、人々は学校や保護者の監督不行き届きを問題としているが、その背後には深い社会的、文化的要素が影響している。
黄少光氏は、日本の学校でのいじめの背後には日本社会の伝統的な思想があり、二つは切り離せない関係だと考えている。その思想とは宿命論に重きをおき、外界からの苦難を甘んじて受け入れるというものだ。
廈門大学教育学博士の呉光輝氏は日本社会の安定極まる構造もまた学校でのいじめが多発する一つの誘因になっていると考えている。日本では階級社会が厳しく、強者を尊ぶ社会となっている。学校教育が始まると、強者は小さい頃から強勢を誇り、弱者は小さい頃からその運命を受け入れるか、自殺してまで反抗しようとしない。つまり「弱肉強食」の階級関係が、島国である日本では「固定したモデル」としての枠組みとなりやすい。この枠組みを壊すことは容易ではなく、成人後の社会にも影響し、次の世代にも影響を与えていく。
日本経済が急成長を遂げた時代と共に育った80年代生まれの日本人で、清華大学の留学生である松原喬氏は「携帯電話の媒体としての副作用がいじめ現象の発生を激化させている」と語る。松原氏は日本社会における携帯電話文化はユビキタスとして青少年交流の重要なコミュニケーション手段になっており、同時に、学校でのいじめを助長させる原因ともなっていると語り、携帯電話を利用して悪意ある情報を流したり、悪意に満ちた言葉をぶつけることでいじめを行うほか、グループを作って、集団でいじめを行うなど、ますます「いじめっ子」たちの技が多様化するばかりだとした。