今年のメーデー連休にあたる4月29日から5月1日にかけて、韓国のロッテ百貨店は中国銀聯と決済サービス「支付宝」(アリペイ)のサポートを受けて、各店の総売上が前年同期比62%増加した。これは韓国で急速に発展する中国電子決済サービスの縮図でもある。ここ数年、スマートフォンやネットワーク技術の急速な発展や中国人観光客の韓国旅行熱の高まりを受けて、中国の電子決済サービスが韓国市場に根を下ろし、根を広げており、中国と韓国の協力を深化させる新たな動力になりつつある。人民日報が伝えた。
▽電子決済可のシールがあちらにもこちらにも
秦さんはこのほど韓国に家族旅行に出かけた。首都ソウルの光華門広場では、現地の人と同じようにカードで乗り物に乗り、都心部の中区エリアを走る9号バスに乗って景福宮西村へ行った。使用したのは仁川空港で買った支付宝電子マネーカードだ。支付宝と韓国のスマートカード会社が共同発行するもので、ソウルと京畿道の首都圏、および済州島の公共交通で利用できる。主要店舗でも電子マネーとして使える。
「支付宝は使えますか」。上海から来た斉さんはソウルの繁華街・明洞の化粧品店のレジで、支付宝のバーコードをスキャンし、ものの数秒で支払いを済ませた。店の人によると、支付宝や「微信」(WeChat)の決済サービス「微信支付」で支払いをする中国人観光客が徐々に増えており、現金やクレジットカードを選ぶ人とほぼ半々になり、若い人ほど前者を選ぶという。ソウルの大規模商業エリアでは、銀聯、支付宝、微信支付に対応可能であることを示すシールがあちらにもこちらにも張られている。
中国の電子決済は税還付手続きを簡略化する。支付宝の利用者であれば、税還付手続きのために空港で列に並ぶ必要はなく、支付宝を登録した携帯電話の番号やメールアドレスをレシートに書いて空港に設置された箱に入れるだけで、還付金が自動的に支付宝口座に振り込まれる。騰訊(テンセント)がうち出す税還付サービス「退税通」では、パスポートをスキャンすれば、プラットフォームに移動して税還付の手続きができる。還付金は微信零銭包(微信ウォレット)の受け取り口座に振り込まれる。