米国国際貿易委員会(USITC)は現地時間5月5日、ソニー、サムスン、LG、モトローラ、ブラックベリー、および中国の聯想(レノボ)、中興通訊(ZTE)、HTCの計8社に対する337調査を実施すると発表した。証券日報が伝えた。
シンガポールのCreative Technologyとその傘下の米カリフォルニア州のCreative Labsは2016年3月24日、米国に輸入される一部の携帯用電子機器と部品が同社の特許を侵害しているとUSITCに申し立てた。2社はこれらの製品を米国内において輸入販売することによって米関税法第337条に違反していると主張し、今回の調査を請求した。公告によれば、上述の2社はUSITCに対し、関連商品の限定的な輸入禁止を求めている。
レノボ、ZTE、HTCの3社が337調査の対象になるのはこれが初めてではない。2012年、ZTE、華為(ファーウェイ)、サムスン、HTC、LGなど12社が337調査の対象になった。2013年にはレノボと聯発科技(メディアテック)、韓国のLGとサムスン、日本の任天堂、パナソニック、東芝など7社が337調査の対象になった。
2011年から2014年までに、ZTEは6回にわたる337調査を受けているが、そのうち4回は勝訴を勝ち取っている。
2014年8月、米国の特許管理会社であるインターデジタル社(Inter Digital)が請求したZTEに対する337調査で、USITCは一連の特許侵害の主張を認めず、ZTEは米関税法第337条に違反していないとの最終決定を下した。インターデジタル社はZTEを含む複数の企業を相手取り、米国で2度にわたる337調査を請求しているが、ZTEはいずれも勝訴を勝ち取っている。ZTEは米国の337調査で4連続勝訴中の唯一の中国企業であり、ほかにも米TPL、Flashpoint社が請求した337調査で勝利している。
ある携帯メーカー関係者は、「337調査は特許や知的財産権の保護を理由にした貿易障壁であるケースが多い」と指摘する。