中国政府は14日「2015年米国の人権記録」および「2015年米国人権侵害記録」を発表した。米国は人権問題で他国をむやみに論評する一方で、自らの問題は客観的に見ようとしない。今回中国の発表した文書は、彼らへの鏡となるものだ。
人権記録の列挙した事実は、人権分野での米国の深刻な試練を十分に示している。米国は銃器の管理が行き届かず、1万3136人が銃撃で死亡している。警察は暴力的取り締りで965人を射殺しているうえ、権力乱用行為が追及されていない。金銭政治と家族政治が横行している。56万人以上に家がない。人種関係は過去20年間で最悪の時機にあり、米国人の61%が米国の人種関係はひどいと考えており、アフリカ系米国人の88%が警察から不公正な扱いを受けたと考え、68%が刑事・司法システムには人種差別があると考えている。女子大学生の23%がセクシャルハラスメントや性的侵害を受けたことがある。米軍のイラクやシリアでの空爆により数千人の一般人が亡くなった。
米国の明らかな人権問題は、その不治の痼疾にあるだけでなく、その思い上がった心理にある。第1に、米国は国民の権利、政治的権利、経済的・社会的権利、人種差別、女性や子どもの権利、他国の人権侵害など各方面で憂慮すべき記録を残し、国内外で広く問題視されている。第2に、米国は人権外交の「高揚」においてその偽りをさらけ出している。最も際立った例は1970年代以降、米国務省が毎年国別人権報告書を発表し、他国の人権問題を批判し、他国の内政に干渉し、自国の自任する「模範」に世界の目を引きつけていることだ。
人権問題において「2つの米国」があることに人々は驚かざるを得ない。その接点はあからさまな利益上の計算に過ぎない。ロシア連邦下院国際問題委員会のコンスタンティン・コサチェフ委員長は「人権は米国の外交戦略の道具となっている。米国が様々な理由から目障りな他国に圧力をかける道具だ。もし米国の他国に対する姿勢が積極的なものなら、米国務省の評価から見て、他国にはいかなる人権問題もない」と指摘した。これと同時に、人権という外交的道具をより順調に用い、自らの人権問題について口をつぐみ、国際社会で「人権の模範」を自称することが米政府の「論理的必然」となっている。
米国は事実に反する言い分によって、発言権を独占できるのだろうか?国際関係の基本的準則に違反する覇道は、国際的な信頼を得るのだろうか?答えは当然「ノー」だ。近年、国際社会では米国の人権外交の虚偽性に対する批判が高まっている。ドイツ・フンボルト大学の国際政治学者と国連拷問禁止委員会の委員が指摘しているように、「国際政治において、米国は転換点に直面しており、自らの人権政策を省察し、多くの面で的確な変更をする必要がある」と指摘した。
もし米政府が自らの発言の通りに人権事業を注視し、世間の定規となるべく努力しようとするのなら、まず自ら襟を正し、人権問題を直視し、米国民のために良いことをするべきだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年4月15日