国際通貨基金(IMF)は12日に発表した最新の「世界経済見通し」の中で、今年と来年の世界経済の成長率予想を引き下げた。このまま景気の悪化が続けば、世界経済は長期的な停滞に陥る可能性があるとしながら、中国経済の成長率予想は引き上げ、中国が進める経済モデル転換措置が効果を上げているとの見方を示した。「経済参考報」が伝えた。
IMFは世界経済成長率予想を今年は0.2ポイント引き下げて3.2%、来年は0.1ポイント引き下げて3.5%とした。中国経済成長率予想は今年も来年も0.2ポイント引き上げて、今年は6.5%、来年は6.2%とした。
IMFは世界経済成長率予想を引き下げると同時に、中国の予想は今年も来年も引き上げた。「見通し」によれば、中国経済成長率予想を引き上げたのは、中国が最近進める安定成長措置と中国国内の安定した消費ニーズを反映してのことだという。
「見通し」は次のように指摘した。中国経済成長は引き続き製造業と投資が駆動するモデルからサービス業と消費が駆動するモデルへと転換していく。生産能力の淘汰や在庫整理が進むにつれて、工業の伸びはさらに低下するが、経済が消費による駆動を中心としたモデルへ転換し、サービス業が安定成長を維持すると同時に、所得の伸びが速いペースを維持し、人材市場が安定を維持し、消費を支える構造改革が徐々に進んで、経済のモデル転換の安定的進行は保証される。
IMFは、中国は経済モデル転換の過程で世界経済に波及効果を及ぼすことになり、これは全体として中国にも世界にもメリットになるとの見方を示した。
IMFのチーフエコノミストのモーリス・オブストフェルド氏は12日に行われた記者会見で、「中国の世界経済成長を推進するルートにはいろいろあり、より明確な政策をめぐるコミュニケーションや経済モデル転換の安定推進の確保などが含まれる」と述べ、「中国が国有企業改革を推進し、企業の不良債権問題を解決し、銀行のリスク対応力を強化し監督管理を強化して、安定した経済のモデル転換を確保するように」と呼びかけた。
米シンクタンク・ブルッキングス研究所のシニアフェローのエスワー・プラサド氏はこのほど発表した論説の中で、「中国経済成長率は鈍化したが、硬着陸は回避した。中国の工業と輸出の伸びは低下したが、小売、世帯収入、雇用市場は安定成長を維持すると同時に、資本の流出と通貨安による圧力が減少した」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年4月15日