日本の安倍晋三首相は6日、ロシア南部のソチでプーチン大統領と会談した。双方は領土、経済、シリア情勢などの問題について話し合った。だが会談終了後、いかなる文書への署名もなかった。人民日報が伝えた。
日本世論は、平和条約を締結していないことが両国の協力にとって最大の障害であり、これは南クリル諸島(日本名「北方四島」)問題が大きく関係していると考えている。安倍首相の今回の訪問の大きな目的は日露関係を改善するとともに、G7サミット時のプーチン大統領による訪日を実現し、両国の領土紛争解決の地ならしをすることにあった。会談終了後、双方は記者会見も行わなかった。
日本メディアによると、安倍首相は島嶼問題解決に向けて新たな提案を行った。だがロシア側は「両首脳は建設的な話し合いを行った。両国の外務当局は協議を継続する」と表明しただけだった。重大な問題において、双方間に依然大きな溝があることがわかる。
モスクワ国際関係大学のストレリツォフ教授は「シリア情勢などの議題では、両国はいくつかの共通認識に達しうる。だが領土については、争いの存在を改めて確認し、紛争解決を進める意向を表明するだけで、具体的な突破口が開かれることはない」と指摘。
ロシア応用政治学財団のスミルノフ会長は「日本がロシアの大祖国戦争勝利日を前に島を得ようとするのは馬鹿げた話だ」と表明した。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年5月9日