世界保健機関(WHO)は12日、都市の大気環境に関する最新データを発表した。世界103カ国・地域の3千あまりの大気環境モニタリング都市のうち、80%の都市で、粒子状物質(PM10)と微小粒子状物質(PM2.5)がWHOの基準値を超えていることが判明、中国都市の大気汚染は深刻な状況だった。新華網が伝えた。
PM10 とPM2.5 には、硫酸塩、硝酸銀、炭素などの汚染物質が含まれており、人体の肺や心臓血管系に深く入り込み、脳卒中、心臓病、肺癌、ぜんそくなど慢性呼吸疾患に罹患するリスクを高める。WHOは、「2年前から、大気汚染レベルの測定を実施するようになった都市が増えたため、データバンクの規模はほぼ倍増した」としている。
統計データによると、中・低所得国の都市の大気汚染問題は、高所得国よりもかなり深刻な状態で、10万人以上人口を擁する都市の中で大気汚染レベルがWHO基準を上回る都市の割合については、中・低所得国は98%だが、高所得国は56%にとどまっている。
更新されたデータベースでは、中国の大・中・小都市210都市のPM10とPM2.5のデータも網羅されている。このうち、PM10による大気汚染が最も深刻な都市は石家荘、済南、ケイ台(ケイは刑のへんにおおざと)、PM2.5による大気汚染が最も深刻な都市はケイ台、保定、石家荘だった。
人口1400万以上の世界特大都市を対象とした2011年から2015年までのモニタリングデータによると、世界でPM10による大気汚染が最も深刻な5大都市は、デリー、カイロ、ダッカ、カルカッタ、ボンベイで、北京は第6位、上海は第7位だった。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年5月13日