9日午前、黄河蘭州区間の地下40メートルの深い場所で、中国鉄建十四局集団の全断面トンネル掘進機(TBM)「金城四号」が黄河北岸から通風孔を通ってゆっくりと顔を出し、中国で初めて黄河を貫通する地下鉄となる「蘭州地下鉄」のトンネル1号線右車線の貫通に成功した。蘭州地下鉄は、黄河河底や大堤などリスクが大きい難関を見事貫通、年末の全線開通に向けた基盤を打ち立てた。新華社が伝えた。
蘭州軌道交通集団の段廷智・総経理は、次の通り紹介した。
我が国の黄河貫通地下鉄は、全長約2119メートル、うち黄河通過部分の距離は317メートル。深さは最も深い所で36.5メートル、最も浅い所は19.5メートルだ。この工事は、工期の切迫、複雑な施工場所の地質条件、高リスク、重い任務という4つの大きな特徴を備えていた。現時点で、同じような地層条件のもとでの成熟したシールドトンネル設計理論と施工技術は、世界のどこにも見当たらない。今回のプロジェクトは、国内のトンネル専門家および中国工学院の銭七虎院士や梁文灝院士から、「世界レベルの難題を克服した」と評価されている。
施工を担当した中鉄十四局プロジェクト責任者の呉遁氏は、「プロジェクトの主な場所は、黄河河底の玉石交じりの礫岩層で、礫岩の礫含率が高く、粒径が大きく、玉石の一軸圧縮強度は200MN/m²(MPa=メガパスカル)に達する。さらに、黄河玉石礫岩層は構造的に密度が低く、透水性が高いことから、掘進中に河床が崩落する可能性は極めて高く、さらには落盤や透水などを招くという重大リスクを抱えていた」と指摘した。
中鉄十四局はこれまでに、揚州痩西湖、厦門(アモイ)西海域、4回にわたる長江貫通などに成功した実績を誇り、超大直径地層・水底下トンネル貫通工事については豊富な経験がある。彼らは、相前後して数十回におよぶ専門家による検証会を催し、TBMの配置、型選定、シールド掘進解析の各種パラメータと黄河蘭州区間の地質状況を照らし合わせ、1項目ごとに分析・検証を行った。掘進中に発生する可能性があるTBMの作動停止や排水処理の滞りについての対策を施し、ついに、玉石礫岩の含有率が高く、粒径が大きく、親水性の高い地層でのシールドトンネル施工という世界レベルの難題を克服した。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年5月10日