北京では連日、早朝の晴天が続いており、日光が降り注ぎ全身がぽかぽかと温まる。ところで、人類は光と熱を生む太陽を作れるだろうか?旧ソ連の高卒の若き少尉が、1950年代にこの問題に言及した。この勇敢な「空想」は今世紀中頃、現実になるかもしれない。太陽の熱核融合反応を模倣することで、国内外の科学者は人類初の「人工太陽」を建造している。これはほぼ無限のクリーンエネルギーをもたらすことになる。人民日報海外版が伝えた。
「国際熱核融合実験炉(ITER)計画」は、EU、中国、米国など7大エコノミーによって推進される。経費は総額50億ドル(1998年のレート)にのぼり、すでに30数年に渡り推進されている。2019年に完成し、2050年に実用化される見通しだ。
中国が生産・設計を担当した初の超大型モジュール「パルス高圧変電所(PPEN)」(1台目)のメイン変圧器は先月末、「人工太陽」施設の建造地であるフランスに運ばれた。各種施設の竣工に伴い、人類は「人工太陽」という目標に近づきつつある。
なぜ「人工太陽」を作らなければならないのだろうか?これは人類の長期的なエネルギー危機によるものだ。現代以降、人口増、工業の発展により、石炭・石油・天然ガスなど化石エネルギーの消耗が加速している。人類は自然資源をあと200−300年しか使用できず、原子力エネルギーも数百年しか使用できないと見積もられている。
また石炭や石油などのエネルギーの燃焼は、温室効果ガスや酸性雨を引き起こしやすく、深刻な環境破壊につながる。原発のエネルギーは核分裂作用(エネルギー生成の過程は核融合と正反対)によって生まれ、必要な原材料は希少価値が高い。これによって生まれる廃棄物を安全に処理することはできず、放射能漏れの恐れもある。
私たちの世代だけではなく、子供や孫たちはどこからこれほど多くのエネルギーを手にするのだろうか?科学者はこの恐ろしい問題を掲げ、核融合に目を向けている。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年5月9日