世界的な報酬コンサルティング会社・タワーズワトソン(WTW)の最新報告から、一部の東南アジア諸国の労働コスト面での優位性は、すでに工場にとどまらないことが明らかになった。中国の専門職の平均基本給は、いまやベトナムやフィリピンの1.9倍から2.2倍に達している。米ブルームバーグ(電子版)報道を引用して参考消息網が伝えた。
WTWが発表した「2015/2016世界50カ国給与計画報告」によると、中国の専門職に就くホワイトカラーの平均初任給の年給は約2万1千ドル(1ドル=約111円)で、インドネシアの同業者よりも30%高かった。
WTWアジア太平洋エリアデータバンクサービス担当者は、22日、次の通りコメントした。
「このところ、中国の賃金レベルは上昇の一途をたどっており、賃金レベルが相対的に低いアセアン諸国は競争の上で優位性を得ることになった。このような現状から、我々は中国における業務拠点を移転する必要性を再考する企業も出てくるようになると考えている。中国の労働力縮小と高齢化の傾向は、中国の賃金がシンガポール以外のアセアン諸国より高い水準を保ち続けることを示している」
しかし、一方で「中国がいまだに一部の優位性を備えており、これは中国にはいまだ企業を誘致する力があることを意味している」とした。
そのうえで、「中国の労働コストはかなり高いが、インフラはより進んでおり、労働者の技能も熟練している。アセアン諸国や他の新興エコノミーに比べ、中国は今後も企業誘致の力を保ち続けるだろう。またベトナムや他の一部の国では、中・高級管理者を雇い入れることは容易なことではない」とした。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年4月26日