ガイド(左)から現金100元をうけとり、1元のお釣りを出す石井宏明さん(右)
「この喫茶店の女の子の話には本当に感動した」と日本僑報社の段躍中社長は言う。段社長を感動させたのは、先ごろ湖南省を訪れた日本人が、岳麓書院にあるお茶屋で茶葉を購入した時に経験したエピソードだ。中国新聞網が伝えた。
起業家の女性店主、微信(WeChat)で客を追いかける
15日、日本の千葉商科大学の島田晴雄学長と日本僑報社の段躍中社長ら一行は湖南省を訪れ、岳麓書院という今回の旅程で最も重要な場所に到着した。千年続いた学府の魅力を堪能した後、島田学長一行は書院内にある喫茶店でお茶を飲んで一服した。ツアーメンバーの石井宏明さんはその店で茯磚茶1パックと君山銀針茶20グラムを購入し、397元(約6700円)を支払った。
その夜、喫茶店はその日の帳簿付けをした。店長の潘英さんはお客から397元を受け取った手書きのレシートをチェックしている時、茯磚茶1パックと君山銀針茶20グラムの値段は298元のはずで、お客から99元多く受け取ってしまったことを発見した。
二日目の朝早く、潘英さんは喫茶店のスタッフに確認し、当時シフトを担当していた販売スタッフが君山銀針茶20グラムを30グラムと書き間違っていたことが判明した。君山銀針茶の10グラムの値段はちょうど99元だった。
お客からお金を多く受け取ってしまったことが確かに判明したが、茶葉を買った人はその時何人もいたため、一体誰が君山銀針茶を買ったのか特定は難しかった。しかし当時の記憶を思い出し、日本人のお客である可能性が高いという結論に至る。
潘英さんは「多く受け取ったお金はお客様に返さなければ!」と言うものの、どうやってこのお客を探せばいいのだろうか?スタッフたちがジリジリする中、一人のスタッフが「段躍中さんの微信アドレスを持ってる」と言った。
潘英さんは大喜びで早速、段躍中社長に微信メッセージを送り、彼から君山銀針茶を購入した日本人のお客に連絡してほしいと頼んだ。しかし段社長はその時、携帯をそばにおいていなかったのだろうか、すぐに返事が来ることはなかった。
焦った潘英さんは今度は湖南大学で日本人の来客接待を担当する劉磊先生を探し出した。劉先生はあちこちに聞きまわり、ようやく購入者が訪問団の石井宏明さんということを確認できた。しかし、石井さんと訪問団はすでに長沙を離れていたため、多く受け取った99元を直接返金することはできなかった。
「直接返金できないなら、微信を使おう」と思いついた潘英さんは微信の「お年玉」ツールを使って、劉先生にお願いして訪問団のガイドに送金してもらい、ガイドから現金を石井さんに渡してもらうことにした。
この「長距離返金」を成し遂げた潘英さんは大学在学中に起業し、ある文化クリエイティブ会社の「社長」を務め、主に湖湘文化の特色ある商品を主に販売している。「この喫茶店を任されるようになってからまだ日が浅く、まだ立ち上げ段階なので、店の運営面でもいくつか問題を抱えている。でもどんなに苦しくても信用は大事だ」と潘英さんは語る。
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