「一帯一路」(the belt and road)国際協力サミットフォーラムが5月14日と15日の2日間にわたり北京で開催される。開催に先立ち、日本の著名な経済学者で国際貿易研究所の研究主幹を務める江原規由氏を取材した。江原氏は、「一帯一路」の呼びかけの現実的な意義、「一帯一路」が提供しうる国際公共財、人民元国際化の推進、日本企業と「一帯一路」といった問題についての見方を示した。人民網が伝えた。
▽「一帯一路」の提唱は水の流れから水路ができるように自然なこと
江原氏は「一帯一路」の提唱され始めた当時から関心を抱き、その後の動きや発展ぶりにずっと注目してきたという。江原氏はこれまでも招待を受けて、中国で開催される「一帯」(シルクロード経済ベルト)や「一路」(21 世紀海上シルクロード)に関する会議にたびたび出席。2014年頃、「一帯一路」がまだ注目を集めておらず、多くの人が実現不可能と考えていた時期から、江原氏はその実現が可能であると考え、「これは中国の改革開放政策の国際化であり、中国の改革開放の経験を海外に適応させていくということだ」ととらえていたという。
江原氏は、「中国は新たな経済圏を確立しようとしており、こうした意味から言えば、『一帯』は経済圏の真空地帯に属する。『一路』にはもともと経済圏やFTA(自由貿易協定)が出来上がっており、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)もあるのに対して、『一帯』の方は何もないが、歴史的に見ても極めて重要な地域だ。しかし、経済的には未発達の地域を多く抱えているので、『一帯一路』はこうした地域の発展をうながすものになる」と述べた。
江原氏は、「中国は2010年に世界2位のエコノミーになり、今では世界の貿易大国の一つだ。現在の経済力は『一帯一路』のような呼びかけを行い得るほどのもので、中国もまた世界において自国がどんな地位を占めているのか知りたいと考えている。そこで中国がこうした呼びかけを行うことは水が流れて水路ができるようなごく自然の流れだといえる。『一帯一路』は習近平主席が提唱したものだが、時代のニーズでもあり、大国がなすべきことでもある」と指摘し、「世界各国が『一帯一路』の呼びかけをどのように受け入れるかが、フォーラムで明らかになるだろう」と今回のフォーラムに対する期待を述べた。
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