ネット通販の「波羅蜜全球購」の創始者兼CEOの張振棟氏によると、徴収免除限度額が取り消されるため、今後値上がりは必至。「それでも値上がりによる市場の圧力はさほど大きくないと見ている」という。
張氏は、「まず、かつての制度はいわば初期における政策ボーナス。ビジネスモデルが政策ボーナスの上に成り立っているのだとすれば、それ自体不健全だといえる。もう一点は、越境ECの消費者はますます理性的になっていることだ。かつてのように『周りが持っているから私も買う』といった追随段階は終わり、自分たちの好みと独自の選択をするようになっている」と指摘する。
張氏は今回の新政策の影響を4つの面から指摘している。1つ目は、税収面では、50元以下は免税という制度を狙ったオーダー分割行為が意味を成さなくなることだ。商品の種類の面では、これまでの10%の荷物・郵便物輸入税を主とした状況から税率50%の商品に傾斜し、一商品に集中して供給不足になるような現象が減って、商品の種類が多くなる。商品の供給源に関し、一般貿易供給源のより多くの貨物が越境ECプラットフォームに参入することになる。越境物流の面では、透明性の高い直接輸送が大幅に増え、保税倉庫の需要が弱まる。
統計によると、現在中国の各種越境EC関連企業は5000社を超え、2008年から2015年にかけて、越境ECの取引額は8000億元から5兆2000億元に拡大した。業界では、2016年の中国越境EC輸出入総額は6兆元に達し、この先数年でその規模は中国の貿易総額の20%にまで達し、年間成長率は30%に達すると予測されている。
今回の新政策に対し、業界では比較的楽観視する人が多い。多くの人が取材に対し、これは国の監督・管理当局が長期わたって試験運営をした後に越境EC業界に出した積極的評価と総括であり、次なる良好な発展に向けて出した積極的調整であるとの見解を示している。
「改革ではなく調整だ。なぜなら越境EC業界を発展させたいという国の基調は変わっていないからだ」と前出の張氏は語った。(編集MI)
「人民網日本語版」2016年4月8日