今月4日から15日にかけて、米国とフィリピンがフィリピン各海域で「バリカタン」合同軍事演習を行い、日本もオブザーバーという形でこれに参与した。三カ国が国防協力を日増しに強化する意図はどこにあるのか。周辺情勢にどのような影響をもたらすのか。中国新聞網が伝えた。
日増しに緊密化する関係
ここ1年間、日本とフィリピンは軍事分野での交流を頻繁に進め、関係は日増しに緊密化している。昨年、両国はマニラ湾とスービック湾の間の海域で初の海上軍事演習を行い、その後、南中国海でも軍事演習を行った。安倍首相とアキノ大統領も相互訪問を実現している。
今年2月、日比両国政府は両国初の軍事協定となる防衛装備と技術移転協定を結び、3月には日本の「おやしお」型潜水艦と2隻の護衛艦をフィリピンのスービック湾に送って年度公海演習を行った。フィリピンを日本の東南アジアにおける「重要な同盟国」と位置づける海外メディアも見られた。
これに対し、フランス華字紙「欧州時報」は評論で、「歴史的原因から日本の行く末に注目が集まっている。集団的自衛権の行使後、日本は他国の安全をより重視するべきであり、軍事分野では慎重に行動し、アジア地縁政治リスクのさらなる拡大を避けなければ、新安保法は再度日本を戦争へと突入させ、平和に背くことになる」と伝えた。
この他、米国は頻繁な軍事演習により軍事同盟ネットワークを構成し、米軍はネットワーク間を自由に行き来し、必要な際は一部国家に「兵卒」役を担わせることを奨励しているという声もある。また、米国は軍事演習を名目にフィリピンをアジア太平洋地域への軍事投入プラットフォームに変え、フィリピンは米国と日本と緊密に連携することで、南中国海問題をかく乱し、外界の力で自己の非合法の主張を支えようとする意図があるとの見方もある。
しかし、米比といった国が「周辺脅威論」を唆し、軍事演習で協力を演出しても、フィリピン国民は米国を信用してはいない。フィリピン国内の多くの団体が米軍の軍事演習による「フィリピン主権の侵害」を批判しており、また、フィリピン軍は頻繁に米軍と軍事演習を重ねていながらその軍事力は依然立ち遅れ、米軍の発展に利用されているだけであるという指摘もある。
比日米の行動は国際社会の注目を集め、現在の南中国海等周辺地域情勢の複雑性と敏感性を反映している。三カ国それぞれ意図を有し、そうした行動を続けていては、周辺情勢への影響は侮れない。だが、長期的な平和と安定こそ、今日の世界の発展の歩みに適う。(編集MI)
「人民網日本語版」2016年4月5日