米連邦準備制度理事会(FRB)は北京時間の7日午前3時、米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の引き上げを決めた。FRBのイエレン議長は記者会見で金利を0.25%引き上げることを明らかにした。約10年ぶりの利上げとなる。人民網が伝えた。
過去30数年間に、FRBは5回の利上げを行った。外部では、0.25%という引き上げ水準は通常はとりわけ大きな影響を与えるものではないが、今回は約10年ぶりの利上げであり、最近の米国経済の力強さを示すものとの見方が広がる。
今回のFRBの金融引き締め政策は世界経済にどのような影響を与えるだろうか。中国社会科学院(社会科学アカデミー)金融研究所銀行研究室の曾剛代表は取材に答える中で、「目下の米国経済は全体としてみれば相対的に好調であり、そのためにこれまでのような世界の新興市場からの資本流出が起こった。だが米国が昨年末に開始した金融緩和政策によりグローバル市場はFRBの利上げを早くから予見しており、影響の大半はすでに消化されている。よって今回のFRBの利上げがグローバル経済に与える衝撃は小さいといえる」と述べた。
▽人民元に短期的な下落圧力 米ドルの好調は続かない
民生証券研究院の管清友・執行院長は、「短期的にみれば、FRBの利上げとその予測(による影響)は大部分が消化されている。人民元相場にかかる下落圧力には限りがある」との見方を示した。
曾代表も同様の見方を示し、「FRBの利上げ後、人民元には一定の下落圧力がかかるが、通貨の変動は往々にして国の経済の基本的側面に反応するものであり、中国経済の基盤と成長ペースはこれまでずっと安定している。短期的にみれば下落圧力はかかるものの、中長期的にみれば、人民元はこれまで通り上昇を続けるとみられる。金利の市場化が推進されるのにともない、人民元の上下動はそれほど重要でなくなった。よって今回のFRBの利上げが人民元に与えるのはニュートラル(中立的)な影響であり、また下落は中国の対外型企業にとっては一種の好材料だといえる」と述べた。