パナソニックはこのほど、傘下・三洋テレビブランドの中国におけるブランド使用権を中国長虹公司に譲り渡したことから、パナソニックが中国家電市場から撤退するのではないかという噂が再び盛り上がっている。北京商報が伝えた。
〇パナソニック、中国家電市場からの撤退の噂を否定
パナソニックが中国におけるテレビ製造業に終止符を打ち、中国メーカーによるOEM(他社ブランド製造)方式に切り替えることを発表した後、同社のテレビ事業戦略は、今もなお縮小し続けている。同社はこのほど、三洋テレビブランドの使用権譲渡作業を完了、従業員とブランドを含む中国業務は全て、長虹に引き継がれることとなった。
長虹にとって、三洋テレビブランドを接収する目的は、グローバル化戦略の推進にある。一方、パナソニックは、三洋テレビブランドが中国でより良く発展していくことを望んだ。
業界専門家は、松下が三洋ブランドを手放すことは、やむを得ないことだと見ている。中国市場において、パナソニックのテレビは主流ブランドではなく、三洋であれパナソニックであれ、市場シェアはいずれも小さい。だが、シェアの小さなこれら2ブランドの間には、直接的な競争関係が存在しており、これはパナソニックの事業縮小戦略にそぐわない状況だ。また、パナソニックが続けざまに工場閉鎖に踏み切り、ブランド使用権を売却したことで、業界内ではパナソニックが中国家電市場から撤退するのではないかという憶測が、再び広まった。松下電器(中国)有限公司広報部の担当者は、この噂をきっぱりと否定し、「弊社が中国家電市場から撤退することなどあり得ない」と表明した。