中国には“相声(xiàng sheng)”と呼ばれる宋代から伝わる笑いの芸術がある。日本の落語や漫才に当たり、流暢な中国語はもとより、中国の歴史や文学、伝統文化への認識が欠かせない。今回は、そんな非常に難易度の高い業を、中国人師匠の指導の下で学ぶ日本人留学生、西田聡さんをご紹介したい。
西田さんが小学生の頃、両国は国交正常化30周年を迎え、出身地の京都・舞鶴市の友好都市である中国・大連市を代表団の一員として訪問したことをきっかけに、中国語に強い興味を抱くようになった。高校時代には独学で中国語を学び、卒業後は外国語教育の名門、北京語言大学に留学した。祖母の影響を受けて幼い頃から習ってきた茶道や日本舞踊といった日本の伝統文化を自慢の中国語で中国人の友人に実演を交えながら紹介するなど、文化の発信にも積極的に取り組む。