2015年11月3日  
 

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中国を知る教科書“相声” 北京語言大学4年次生 西田聡さん (2)

人民網日本語版 2015年11月03日10:17

「関西人ということもあり、人に笑ってもらうことが大好き」という西田さん。せっかく中国にいるのだから、今度は中国の文化を身につけなければと、これまで学んだきた中国語をも生かし、人を笑顔にできる中国の“相声”に引きつけられ、中国の無形文化財継承人(非物質文化遺産伝承人)にも指定される“相声”役者、丁広泉(ディン・グアンチュエン)先生が無償で開講する“相声”の稽古場を訪ねた。しかし、現実はそう甘くはなく、「中国語の表現力が足りない」として、丁先生に門前払いを食らった。それに挫折することなく、“相声”に対する思いを先生にぶつけ、なんとか弟子として稽古場に迎えてもらうことができた。「彼の思いに心を動かされた。弟子は数百人といるが、日本人は彼が2人目だった」と丁先生は当時の思いを明かす。その後、師匠は“相声”の段(ネタ)を覚えるよう西田さんに課題を与えていった。西田さんは段の一つ一つを一生懸命覚え、師匠に披露するたびに「中国語力まで伸びていった」と師匠を驚かせた。そうして“相声”に用いられる中国の故事や生きた言葉の掛け合いを覚えることで、西田さんの中国語は見る見るうちに上達していった。様々な中国語コンテストなどにも積極的に参加し、そのステージでも“相声”から学んだ伝統文化の知識を生かしながら賞を受賞し、同校の「中国語学習のお手本」と評価されるまでに成長した。

日本の漫才と中国の“相声”の違いについて西田さんは、ちょうど中国語の“搞笑(gǎo xiào)”と“逗笑(dòuxiào)”の違いに似ていると例える。“搞笑”とは、手段は何であれ、面白いことをしてどうにか相手を笑わせることが目的。日本の漫才はそれに近いと話す。一方で、“逗笑”とは、相手を笑わせることを最終的な目的とせず、聞く人の自然な笑いをそそる行為だという。“相声”はこの“逗笑”に当たり、話す内容はもっぱら過去の物語を、今の人々に紹介しているだけのものが多いという。そのユーモアな表現や言葉遣い、リズムによって聴衆の笑いをそそる。そのため、お腹を抱えて大笑いするようなことは滅多に見られない。しかし、話を聞いていて面白いと思うだけでなく、終わってからも後味を残すのが“相声”の醍醐味だと語る。往々にして聞き終わった後にその話の道理や教訓、含蓄がしみじみと伝わり、そこには必ず学ぶ過程があると西田さんは語る。


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