天津市で開かれた「人工頭脳革新フォーラム」で発表された情報によると、脳科学および人工頭脳は近年、世界各国の研究と競争の焦点になっている。米国やEUが関連する研究計画を開始しているが、中国政府も脳の研究を重視しており、関連計画を論証中で、近いうちに「中国脳計画」を開始する見通しとなった。人民日報が伝えた。
脳科学は主に生理的な角度から脳組織のマルチスケール構造、およびそのさまざまな認知機能や疾患との関連性や、人類の行為の認知メカニズムを研究する。一方、人工頭脳の研究は、脳のマルチスケール構造と認知メカニズムを参考にし、脳の情報処理メカニズムの啓発を受けた人工知能フレームワーク・アルゴリズム・システムを提唱し実現する。
中国工程院院士の鄭南寧氏は、「ヒトの脳の情報処理メカニズムおよび人類の知能の研究に基づき、人工頭脳の計算理論・技術が形成され、未来の情報技術のスマート化への邁進をリードする可能性がある。人工頭脳は今世紀の科学界における重大な課題の一つであり、現在コンピュータ科学と人工知能の分野で注目されている大問題だ」と述べた。中国科学院院士の譚鉄牛氏は、「脳の情報処理のメカニズムに基づく次世代スマートシステムの開発が、人工知能の研究の重要な流れになっている。未来のロボット知能の研究は、脳と神経科学、認知科学、心理学の深い融合が必要だ。人工頭脳の研究は、すでに主要先進国の戦略的行為になっている。中国は人工知能の発展を加速し、新たな産業革命の要衝を占めるべきだ」と提案した。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年6月29日