韓国メディアの報道によると、中東呼吸器症候群(MERS)のウィルスが首都ソウル東部の病院で拡散した可能性があり、韓国当局が病院の状況を詳しく確認中という。3日前に無くなった70歳の女性患者がこの病院で数千人に接触しており、接触した人は来週以降に発症する可能性がある。同病院で感染確定患者が出れば、MERSの感染が拡大したことになる。中国新聞網が伝えた。
報道によると、韓国・保健福祉部は27日、22日に感染が確認された70歳の女性介護士が、肺炎の悪化のため24日に無くなったことを伝えた。女性患者は5日、別の患者につきそって江東慶煕大学病院の救急診療室を訪れた際に感染したとみられるが、症状が出たのは10日後だった。女性患者は感染に気付かずに9つの病院に出入りしており、18日に自身が整形外科の手術を受けるため江東聖心病院に入院した際にMERSへの感染が確認された。
同部によると、女性患者は21日に隔離処置が取られた。MERSウィルスの潜伏期間から推計すると、7月の5日から6日にかけて確定患者が出る可能性がある。江東慶煕大学病院が「3番目の重大感染エリア」になることを防ぐため、同部は疾病調査員と接触者追跡員を派遣して同病院の様子を詳細に観察している。
報道によると、27日に新たに確認された感染者は症状がないのに感染が確認された初めてのケースで、同部が注目しているという。
疾病管理本部によると、このケースは韓国初の症状なしで感染が確定されたケースだ。専門家は、症状が出ていないMERSウィルスの伝播ウィルスは弱く、このケースではウィルスの拡散は起こらない可能性が高いと話す。
韓国では27日に新たに感染者が確定されたことで、感染者は累計182人になった。新たな死者は出ておらず、死者数は31人でとどまっている。
現地時間の6月27日午前6時現在、韓国でMERSのため隔離された人は2467人に上り、前日に比べ464人減少し、隔離を解除された人は1万2958人に達した。1日で755人が隔離を解除された。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年6月28日