経済水準が上がり、海外旅行が増えている中国人。資料によると、1997年の時点では、海外旅行をする中国人の数は843万人だったが、2014年になると、その数は約1億人に達した。中国人の海外旅行ブームは世界各国に経済効果をもたらす一方、観光地での中国人観光客の迷惑行為などが次々と報道され、そのモラルが疑問視されている。しかし、モラルの低さだけが原因とは一概には言えない事実もある。現地の風習や文化、マナーやタブーなどを十分に理解していないことが、誤解を招くような行為につながっているケースも多いのだ。
アフリカ:野生動物を怒らせないで
アフリカの自然とワイルドさに憧れを持っている人は少なくないが、きちんとルールを守らないと身の安全も確保できない可能性が非常に高い。中国国内では、動物園で動物の撮影をするのはいたって普通のことだが、アフリカでは、動物は野性に近い状態で、自然保護区で放し飼いされている。だから見学する際は、身の安全に特に注意しなければいけない。餌をやったり怒らせたりすると危ない。約2年前のことだが、ある中国人観光客がケニアでカバの子供を撮影していた際、母親カバに襲われ死亡するという事件があった。