国務院の李克強総理は10日に国務院常務会議を開催し、次のような方針を打ち出した。財政資金の一括利用措置を推進し、積極的な財政政策がもつ安定成長、構造調整、国民への恩恵といった役割を十分に発揮させることを明確にした。消費者金融企業のテスト事業を全国に拡大し、経済に対する消費の牽引力を強化することを決定した。国境を越えたネット通販事業の健全で急速な発展を促進し、開放型経済の発展・バージョンアップを推進することを計画した。出稼ぎ労働者などの帰郷・起業を支持する政策、大衆による起業・イノベーションに新たなエネルギーを増強することを確定した。新華社が伝えた。
会議では、改革イノベーションメカニズムが財政資金の一括利用の推進を加速し、資金利用の「断片化現象」をしっかりと改善し、利用効率を高めることが、積極的財政政策を十分かつ柔軟に利用する上での重要な措置になるとの見方が示された。
会議では、消費者金融を発展させ、中所得層と低所得層に重点的にサービスを提供することが、消費の潜在力を発揮させ、消費のバージョンアップを促進する上でプラスになることが指摘された。市場参入を開放し、これまで16都市で実施された消費者金融企業のテスト事業を全国に拡大することが決定された。審査認可権を省レベル部門に委譲し、条件を満たした民間資本、国内外の銀行業を取り扱う金融機関、インターネット企業が消費者金融企業を設立することを奨励し、条件が整ったものを認可するとした。消費者に無担保、無抵当で少額の貸出を行い、経営を規範化し、リスクを予防し、消費者金融企業と商業銀行が競合しないで競争を展開し、相互に補い合いながら発展することが目指された。また経済成長に対する消費の牽引的役割をよりよく発揮するが目指された。
また会議では、国境を越えたネット通販の健全で急速な発展を促進し、「インターネット+対外貿易」によって優れた製品を輸出入することが、消費の拡大、開放型経済の発展・バージョンアップの推進、新たな経済成長源の構築にプラスになることが指摘され、具体的に次の4点が挙げられた。(1)通関プロセスを最適化し、国境を越えたネット通販の輸出商品の分類を簡略化し、経営主体と商品の登録管理を実施し、輸出入商品について集中的申告、検査、許可、24時間決済といった便利な措置を採用する(2)国境を越えたネット通販の輸出貨物に対する税金の還付・免除政策を実施する。国境を越えた電子決済を展開し、国境を越えた外国為替決済モデル事業を推進し、国内の銀行カード決済機関の海外事業拡大を支援することを奨励する(3)対外貿易総合サービス企業が国境を越えたネット通販に通関、倉庫・貯蔵、融資などのサービスを提供することを奨励する。企業を誘導して経営を規範化し、違法行為や権利侵害行為を摘発する(4)国境を越えたネット通販小売輸出企業が海外の倉庫や体験ショップなどを通じて営業販売ルートを開拓し、独自のブランドや自前のプラットフォームを育成することを奨励する。消費財の輸入を合理的に増やす。対外貿易のスピードアップと取引量の増加を促進する。
会議では、出稼ぎ労働者、大学生、退役軍人などが帰郷して企業を興すことを支援し、大衆による起業・イノベーションを通じて広大な農村部でさまざまな産業が盛んになるようにすれば、雇用を促進し、所得を倍増させ、工業化と農業の現代化、都市化と新農村の建設のバランスの取れた発展という新たな局面を切り開くことができるとの見方が示された。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年6月11日