世界的に有名なコンサルティング企業のべイン・アンド・カンパニーが発表した「2014年中国ぜいたく品市場報告」によると、2014年、中国大陸部のぜいたく品市場は初めてマイナス成長を呈し、2013年比1%下落した。だが、世界ぜいたく品市場においては、中国大陸部の消費者によるぜいたく品消費は9%増、3800億元(約7兆3600億円)に達し、世界ぜいたく品市場でのシェアは約30%に上った。これは、中国人がぜいたく品を購入する市場が、国内から海外にシフトしたことを意味している。
西城区の金融街ショッピングセンターに入居している某ブランド店のマネージャーは、「2013年までは、お客様が来店されて商品を買って戴くのをただ待っていれば良かった。会社側が従業員に訓練する『笑顔サービス』というブランドマーケティングの鉄則は、実際には不要だった。だが、2014年に入ると、それでは立ちいかなくなった。満面の笑みを浮かべてお客様をお迎えしても、商品がどんどん売れていくような日はなくなった」と打ち明けた。
このマネージャーは、「2014年、北京では、新光天地や国貿などランドマーク性を帯びたエリアの店舗やフラッグシップ店レベルの店舗を除き、他の店舗は軒並み売り上げが落ち込んだ。客足が50%から60%も落ち込んだ店もある。その一方で、ここ数年の中国市場の拡大に伴い、ぜいたく品ブランドの在中店舗は飽和状態となった。あまりにも多くのスタッフを抱えたため、経営コストは上昇の一途をたどった」と続けた。
周婷院長は、「ぜいたく品ブランドが最初に中国大陸部に入った時、ショッピングセンターのほとんどが、スペースを割き自腹を切ってこれらの店舗を保留しようとした。世界のぜいたく品ブランドが中国に入って10年あまり経ったが、その店舗の多くが単なる商品展示ルームと化し、肝心の売上はさっぱりで、中国でのランニングコストだけが上昇した。今回、シャネルは、中国市場でのテコ入れのために価格改定に踏み切り、それによって消費者が殺到した。値下げは何よりも有効なやり方だ」とコメントした。
〇シャネルに続いて値下げを断行するブランドは?
中国市場における変化への対応は、シャネルが最も目立ったのは確かだが、実は、最初に行動に移したのはシャネルではなかった。